2013年10月20日日曜日

16年 大洋vs阪急 3回戦


4月29日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 0 1 0 0 0 0 0 0  2 大洋 10勝6敗 0.625 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 阪急   9勝7敗 0.563 笠松実

勝利投手 野口二郎 5勝2敗
敗戦投手 笠松実     2勝4敗

勝利打点 なし


織辺由三、一試合3盗塁

 大洋は4連敗、3試合連続完封負けで32イニングス連続無得点を継続中である。27日の阪急2回戦で森弘太郎に投げ負けた野口二郎が雪辱を期して連投してきた。阪急は笠松実の先発で応戦する。

 大洋は初回、先頭の苅田久徳が左前打で出塁、石井豊は左飛に倒れるが、濃人渉が左前打を放って一死一二塁、黒澤俊夫の遊ゴロは「6-4-3」と転送されるがセカンド田中幸男からの一塁送球が悪送球となる間に二走苅田が三塁を回ってホームに還り1点を先制、22日の名古屋戦4回表以来の得点となった。

 大洋は3回、先頭の織辺由三が中前打、トップに返り苅田は捕邪飛に終わるが織辺が二盗に成功、石井が四球を選んで一死一二塁、濃人の三ゴロで石井が二封されて二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて2-0とする。

 大洋先発の野口は阪急にヒットは許すものの得点は与えず試合は進む。

 阪急は8回、先頭の笠松が左前打で出塁、中島喬が右前打で続いて無死一二塁、トップに返り黒田健吾の投前バントを野口が三塁に送球して二走笠松は三封、フランク山田伝は遊飛に倒れて二死一二塁、阪急ベンチは5回から田中に代わってセカンドに入っている伊東甚吉に代えて代打に左の浅野勝三郎を起用、大洋ベンチはここでライトの黒澤をレフトに、レフトの織辺をライトに回し、浅野は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。9回の守備で黒澤はライト、織辺はレフトに戻る。

 野口二郎は8安打を許したものの1四球3三振で今季2度目の完封、5勝目をあげてチームの連敗を4でストップさせると共に、自身も27日の雪辱を果たした。


 織辺由三が2回に二盗と本盗、8回にも二盗を決めて一試合3盗塁を記録する。8回の守備では二死一二塁で左の浅野勝三郎が代打に起用されるとレフトからライトに回っている。大洋ベンチは織辺の守備を買っていることがうかがわれる。金鯱と翼が合併した大洋は総監督が石本秀一で監督が苅田久徳であるが、苅田の自伝「天才内野手の誕生」によると「石本総監督と私の事務分担は、石本さんがもっぱら選手の精神的指導と訓育養成にあたり、実戦はいっさい私がタッチしてキリモリすることになっている。」とのこと。織辺と黒澤の守備位置をスイッチした判断も苅田によるものでしょう。守備と走塁に俊敏なプレーを見せた織辺由三も昭和17年を最後に応召して戦死することとなる。







   *野口二郎は8安打完封で5勝目をあげる。笠松実も大洋打線を4安打に抑える好投を見せた。












*織部由三の一試合3盗塁を伝えるスコアカード。3回は二盗と本盗、8回にも二盗を決めている。守備位置もレフトとライトを交互に守ったことを伝えている。











 

0 件のコメント:

コメントを投稿