今節は阪神が3勝1敗、巨人が3勝1敗、南海が3勝2敗、名古屋が3勝2敗、朝日が2勝3敗、黒鷲が2勝3敗、阪急が2勝3敗、大洋が1勝4敗であった。黒鷲は2勝であったが22日の阪急戦は10得点、26日の巨人戦では17得点をあげた。
週間MVP
投手部門
朝日 福士勇 1
25日の大洋戦と29日の南海戦で完封勝利。昨年の満州遠征で満州日日新聞の吉田要記者兼審判員にその素質を絶賛された真価を発揮してきた。
南海 石田光彦 1
今節3試合に登板して22イニングスを投げて1完封を含む防御率0.00。阪急から南海に移籍した今季はコントロールが乱れて早期降板が多かったがキレが戻ってきた。
打撃部門
名古屋 吉田猪佐喜 1
今節19打数5安打ながら3得点8打点、二塁打1本、本塁打2本と豪打を炸裂させた。吉田猪佐喜は戦後、「吉田和生」として松竹水爆打線に名前を連ねることとなる。「小西得郎」をグーグルで検索すると松竹時代のユーチューブの画像にヒットし、「吉田和生」の打撃の画像を見ることができます。スウイングアークの大きな柔らかいスウィングです。
南海 村上一治 1
今節15打数8安打1得点4打点、二塁打3本、勝利打点2個とこちらも豪打を炸裂。5試合連続5個の四球も選んでおり出塁率は6割5分に及ぶ。ネット上にはWikipediaの「1941年、南海軍に入団。ルーキーながら5番一塁手として開幕レギュラーの座を掴むもその後大きな実績を残すことは出来ずレギュラー定着にはいたらなかった。」という記述を鵜呑みにして事実に反するコメントが目に付くが、この実績をどう見ているのでしょうか?
村上一治は昭和17年に3月28から4月6日までの間だけ出場して、22打数7安打二塁打2本、本塁打1本、打率3割1分8厘の記録を残して戦場に赴くこととなり、シベリア抑留を経てプロ野球に復帰するのは昭和24年のこととなる。アスリートとして最も大切な26歳から32歳までの7年間を戦争に奪われた村上一治の気持ちをどう考えるべきでしょうか?プロ野球に復帰する昭和24年には13試合に出場して13打数5安打、打率3割8分5厘のハイアベレージをマークすることとなります。試合数と打数の関係から、“代打の切り札”であったことがうかがえます。
阪神 野口昇 1
今節14打数5安打2得点6打点、二塁打2本、本塁打1本、勝利打点2個を記録すると共に、真の殊勲打も3本(うち2本は勝利打点と重複する)放っています。野口二郎は自伝に野口四兄弟では最も素質があったと述懐していますが、野口昇は戦死することとなる。
名古屋 本田親喜 1
今節16打数7安打6得点2打点、6四球3盗塁、三塁打1本をマークすると共に、4個のファインプレー賞も獲得する。そのプレー振りを見ていると、「いい選手だなぁ~」と言う感想が聞かれてきそうです。
黒鷲 玉腰忠義 1
今節22打数9安打5得点6打点、三塁打2本、本塁打1本の活躍を見せる。27日の名古屋戦ではピッチャーとして出場し、敗戦投手となったものの完投している。玉腰忠義は戦後、金星、阪急で活躍することとなるが、病を押して出場をしたことが影響して36歳で早逝することなる。この経緯は浜崎真二の自伝に書かれています。走攻守投にセンス溢れるプレー振りを見せています。
殊勲賞
黒鷲 清家忠太郎 1
26日の巨人戦で5打数4安打2得点2打点、二塁打1本、三塁打1本を記録する。
南海 神田武夫 1
27日の朝日戦でプロ入り初完封をマークして今節2勝をあげる。
敢闘賞
黒鷲 木下政文 1
今節5試合連続ヒットで18打数7安打3得点3打点2盗塁、二塁打3本をマークする。
阪急 上田藤夫 1
今節19打数7安打2得点3打点、二塁打1本をマークする。
巨人 平山菊二 2
今節12打数6安打1打点5四球、三塁打1本をマークして前節に引き続き2節連続敢闘賞に輝く。
技能賞
大洋 織部由三 1
29日の阪急戦で一試合3盗塁を記録する。
名古屋 芳賀直一 1
今節ファインプレー賞3個を獲得する。22日の大洋戦6回表の守備では1イニング2個のファインプレーを見せる。打撃面でも20打数6安打2得点1打点、二塁打1本、本塁打1本をマークしており、決して守るだけのプレイヤーではありません。
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