2013年10月15日火曜日

16年 巨人vs阪神 2回戦


4月27日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 1 0 0 0 0 0 0 2 巨人 11勝3敗 0.786 中尾輝三
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 阪神   9勝7敗 0.563 木下勇 三輪八郎 若林忠志
 
勝利投手 中尾輝三 3勝0敗
敗戦投手 木下勇     4勝1敗
 
二塁打 (神)藤村

勝利打点 川上哲治 3

猛打賞 (巨)中島 3


中尾輝三、完投で3連勝

 巨人は初回、先頭の白石敏男が左前打、水原茂が二塁に内野安打、中島治康の右飛で二走白石がタッチアップから三進、川上哲治が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 阪神は1回裏、先頭の皆川定之が一塁に内野安打、宮崎剛の一塁線バントが内野安打となり、カイザー田中義雄の三前バントをサード水原がお手玉して無死満塁、しかしジミー堀尾文人は三球三振、松木謙治郎の左飛で三走皆川がタッチアップからホームを突くがレフト平山菊二からのバックホームにタッチアウトとなって無得点。

 初回の攻防がこの試合の明暗を分けた。

 巨人は2回、平山の遊撃内野安打と中尾輝三の左前打で一死一二塁とするが後続なく無得点。
 阪神はぴりっとしない先発の木下勇を2回であきらめて3回から三輪八郎をマウンドに送る。


 巨人は3回、先頭の中島が三遊間に内野安打、川上の二ゴロをセカンド宮崎がエラー、千葉茂の遊ゴロで川上が二封されて一死一三塁、吉原正喜が左翼線にタイムリーを放って2-0とする。

 初回のチャンスを潰した阪神打線は意気消沈して5回まで松尾五郎の内野安打1本。6回一死後田中がセンター右にヒットを放つが、堀尾の三ゴロは「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 阪神は7回、松木の三塁内野安打と松尾の四球で無死一二塁、しかし野口昇に代わる代打土井垣武は左飛、三輪に代わる代打若林忠志も捕邪飛、松下繁二が三振に倒れてスリーアウトチェンジ。8回から代打に出た若林がそのままマウンドに上がる。

 巨人は8回、先頭の千葉がツースリーから四球を選び、吉原の右前打で無死一三塁、平山が四球を選んで無死満塁、しかし呉波の遊ゴロで千葉は本封、中尾の投ゴロで吉原が本封、トップに返り白石は三振に倒れて絶好の追加点のチャンスを逃す。

 阪神は9回裏、一死後松木が右前打、松尾の遊ゴロで松木が二封されて二死一塁、ここで小林吉雄に代わって代打に昨日の名古屋戦で3打数3安打を記録した藤村隆男が登場、藤村は期待に応えて右中間を破る。一走松尾は三塁ベースを蹴ってホームイン、打った藤村も二塁ベースを蹴って三塁に向かうが、ライト中島からの返球を中継したセカンド千葉が三塁に送球して藤村はタッチアウト、2対1で巨人が逃げ切る。


 藤村の走塁は暴走か否か。現代の常識では二塁ストップでしょうが、昭和16年当時の外野手の守備位置では二塁からはワンヒットでは還れない確率が高いので三塁に走ることは否定できないでしょう。悪送球があれば一気に同点ですから。翌日の読売新聞・鈴木惣太郎の論評は「藤村の暴進に遺憾はあるが、この場合咎める事は酷であり・・・」としている。







                *中尾輝三は7安打完投で3勝目をあげる。






















 

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