１６年 黒鷲vs巨人 ３回戦

4月26日 （土） 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 4 5 1 3 0 2 17 黒鷲 4勝10敗 0.286 長谷川重一
0 1 0 1 0 0 3 2 0  7  巨人 10勝3敗 0.769 泉田喜義 川上哲治 澤村栄治

勝利投手 長谷川重一 1勝4敗
敗戦投手 泉田喜義     1勝1敗

二塁打　（黒）小島、清家、高橋、木下、長谷川　（巨）川上2、白石
三塁打　（黒）玉腰、清家　（巨）呉2
本塁打　（黒）玉腰　1号

勝利打点　中河美芳　2

猛打賞　（黒）寺内（4安打）　1、玉腰　3、清家（4安打）　1　（巨）川上　3

ファインプレー賞　寺内一隆　2


黒鷲打線爆発！

　巨人は泉田喜義-楠安夫のバッテリーが先発する。翌日の読売新聞によると「中尾が身体の故障」とのこと。

　黒鷲は初回、先頭の寺内一隆が左翼線にヒット、玉腰忠義の右翼線ヒットで寺内は三塁に進み、玉腰が二盗に成功、小島利男が四球を選んで無死満塁、しかしサム高橋吉雄の投ゴロは「1-2-3」と渡ってダブルプレー、中河美芳が三振に倒れてこの回無得点。

　巨人は2回、先頭の川上哲治が中越えに二塁打、千葉茂は一邪飛に倒れるが、平山菊二が三前にバントヒット、呉波が死球を受けて一死満塁、楠が押出し四球を選んで1点を先制する。

　黒鷲は3回、先頭の寺内が二打席連続の左翼線ヒット、玉腰の遊ゴロの間に寺内は二進、小島が四球を選んで一死一二塁、高橋の三ゴロをサード水原が二塁に悪送球する間に二走寺内が還って1-1の同点、更に一死一三塁から中河美芳の中犠飛で2-1と逆転、これが決勝点となった。ここから黒鷲打線の怒涛の攻撃が始まる。

　黒鷲は4回、先頭の長谷川重一の三ゴロをサード水原茂がエラー、清家忠太郎が四球を選び、山田潔の三塁内野安打で無死満塁、トップに返り寺内一隆の三ゴロは水原が三塁ベースにタッチして二走清家が三封されるが三走長谷川がホームに還り3-1、キャッチャー楠からの二塁牽制が悪送球となって二者進塁し一死二三塁、玉腰忠義が左翼スタンドにスリーランホームランを叩き込んで6-1とする。更に小島が左前打、高橋が左翼線にヒットを放つと、巨人ベンチは先発の泉田を下げてファーストの川上をマウンドに送り、中河の中飛に二走小島が飛び出しダブルプレー。

　巨人は4回、先頭の呉が右中間に三塁打、二死後白石が右翼線に二塁打を放って2-6とする。

　黒鷲は5回、先頭の木下政文が死球、長谷川は四球、清家の右翼線ヒットで無死満塁、捕逸で木下が還り7-2、山田は三振に倒れるが、トップに返り寺内の右翼線タイムリーで8-2、玉腰が右中間に三塁打を放って二者を迎え入れ10-2、小島が左中間に二塁打を放って11-2、球威のない川上を滅多打ちにした。

　巨人は6回から澤村栄治を敗戦処理のマウンドに送り、川上はファーストに戻る。

　黒鷲は6回、先頭の木下がストレートの四球、長谷川は中飛に倒れるが、清家が左中間にタイムリー二塁打を放って12-2とする。

　黒鷲は7回、一死後小島が死球を受けて出塁、高橋の右中間二塁打で一死二三塁、中河の投ゴロで三走小島は三本間に挟まれてタッチアウト、但し巧く時間を稼いで二走高橋は三塁、打者走者の中河も二塁に進み二死二三塁、木下が左中間を抜く二塁打を放って14-2、長谷川の中越え二塁打で15-2とする。

　巨人は7回裏、一死後川上が右中間に二塁打、千葉が右前にタイムリーを放って3-15、平山は一邪飛に倒れるが、呉が右中間に三塁打を放って4-15、楠が四球を選び、澤村の二ゴロをセカンド高橋が失する間に呉が還り5-15とする。

　巨人は8回、水原、中島が連続四球、川上は三邪飛に倒れるが、千葉の三ゴロをサード木下が二塁に送球するがセカンド高橋が落球、して一死満塁、平山が押出し四球を選んで6-15、呉の中犠飛で7-15と追い上げて王者の意地を見せる。

　黒鷲は9回、先頭の中河が右前打、二死後清家が右中間に三塁打を放って16-7、山田のピッチャー強襲ヒットで17-7として快勝する。


　長谷川重一は大量得点をバックに10安打10四球1死球3三振の完投で今季初勝利をあげる。巨人は14残塁であった。巨人の敗因は投手陣の乱調にあったが、打撃陣の効率が良ければ二桁得点同士の争いとなっていたでしょう。


　玉腰忠義が6打数3安打2得点5打点1盗塁、三塁打1本、本塁打1本。木下政文が5打数4安打2得点2打点1盗塁、二塁打1本、三塁打1本。寺内一隆が7打数4安打3得点2打点1盗塁。黒鷲は3盗塁を記録したが、猛打賞の3人が1盗塁ずつを記録した。





＊長谷川重一は10安打完投で今季初勝利をあげる。澤村栄治が敗戦処理で登場した珍しいスコアカードです。

　　　　　　＊20安打17得点の黒鷲打線。