3月30日 (月) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 3 0 0 2 0 0 6 黒鷲 1勝2敗 0.333 松本操 石原繁三
0 2 0 2 0 0 0 0 0 4 大洋 2勝1敗 0.667 浅岡三郎 古谷倉之助
勝利投手 石原繁三 1勝1敗
敗戦投手 古谷倉之助 0勝1敗
二塁打 (黒)石原、木下 (大)野口明
三塁打 (黒)小松原
勝利打点 木下政文 1
木下政文、決勝二塁打
黒鷲は初回、先頭の山田潔が中前打で出塁、富松信彦もセンター左にヒットを放ち無死一二塁、玉腰忠義の三前送りバントをサード山川喜作が一塁に悪送球、犠打エラーが記録されて無死満塁、木下政文の左犠飛で1点を先制、続く谷義夫の二ゴロはセカンド苅田久徳が二塁ベースを踏んで一塁に送球、「4B-3」のダブルプレーが完成してスリーアウトチェンジ。
大洋は2回、一死後村松長太郎が中前打、山川の遊ゴロをショート濃人渉がエラー、祖父江東一郎の投前バントはピッチャー松本操が巧く処理して二走村松は三封、織辺由三がストレートの四球を選んで一死満塁、トップに返り中村信一が押出し四球を選んで1-1の同点、続く苅田も押出し四球を選んで2-1と逆転する。
黒鷲は3回から先発の松本に代えて石原繁三をマウンドに送る。
黒鷲は4回、先頭の玉腰が中前打、木下の三ゴロでランナーが入れ替わり、谷の四球で一死一二塁、ここで小松原博喜が右中間に三塁打を放って3-2と逆転、鈴木秀雄の中犠飛で4-2とリードを広げる。
大洋は4回裏、先頭の山川が打撃妨害で出塁、祖父江に代わる代打古谷倉之助は右飛に倒れるが、織辺が四球を選んで一死一二塁、トップに返り中村が中前にタイムリーを放って3-4、苅田は二飛に倒れて二死一二塁、濃人が中前に同点タイムリーを放って4-4と追い付く。
大洋は代打に出た古谷がマウンドに上がり、先発の浅岡三郎は祖父江に代わってファーストに入る。
黒鷲は7回、先頭の木村孝平が三塁に内野安打、トップに返り山田がストレートの四球を選んで無死一二塁、富松の投前バントは古谷がダッシュよく処理して二走木村は三封、しかし玉腰が四球を選んで一死満塁、ここで木下が右中間に決勝二塁打を放ち6-4として激戦にけりを付けた。
昨日は南海の石田光彦に8回までノーヒットに抑えられた黒鷲も本日は11安打を放って大洋に打ち勝った。一方、大洋は昨日決勝スリーランを放った佐藤武夫を下げて四番キャッチャーに野口明を起用、開幕当初は野口明と佐藤が交互にマスクを被ることになる。
ロングリリーフとなった石原繁三は7イニングを4安打3四球2三振2失点に抑えて今季初勝利をあげる。
黒鷲は昨年後半、中河美芳が四番に座っていた。その中河は志願入隊し、中河の後の四番は開幕から木下政文が務めている。中河と木下は鳥取一中の同期で共に関西大学に進んだが中河が昭和12年秋に関大を中退してイーグルス(現・黒鷲)に入団すると、後を追うように木下も13年イーグルスに入団した。中河美芳は戦死することになるが、この日殊勲の決勝打を放った木下政文は生き延びて戦後もプロ野球でプレーすることになる。
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