11月16日 (日) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪神 40勝43敗 0.482 木下勇 三輪八郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1X 1 黒鷲 28勝55敗1分 0.337 石原繁三 中河美芳
勝利投手 中河美芳 7勝8敗
敗戦投手 三輪八郎 2勝7敗
ファインプレー賞 (黒)石原繁三 1 (神)宮崎剛 2
勝利打点 中河美芳 8
中河美芳、生涯最後の勝利投手
阪神は初回、先頭の宮崎剛が粘って四球、二盗も決めて無死二塁、皆川定之の一ゴロの間に宮崎は三進、カイザー田中義雄が四球を選んで一死一三塁とするが、土井垣武は三邪飛、御園生崇男はピッチャーライナーに倒れて無得点。
大洋も1回裏、先頭の山田潔がストレートの四球を選んで出塁、しかし寺内一隆は三振、玉腰忠義の遊ゴロは「6-4-3」と転送されてダブルプレー。
阪神は3回も先頭の森国五郎が二失に生きるがトップに返り宮崎の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。4回まで大洋先発の石原繁三に無安打に抑えられる。
大洋も2回~4回は三者凡退が続き、阪神先発の木下勇に4回まで無安打。
阪神は5回、二死後森が一塁線にドラッグバントを決めて初安打、しかし宮崎は遊ゴロに倒れる。
6回も一死後田中が内野安打で出塁するが土井垣の二ゴロが「4-6-3」と転送されてダブルプレー。
大洋も5回、一死後富松信彦が四球を選び、木下政文が左前にチーム初ヒットを放つが、清家忠太郎は捕邪飛、石原は遊ゴロに倒れる。6回、先頭の宗宮房之助がバントヒットを決めるがセカンド宮崎のファインプレーに阻まれて無得点。
阪神は7回、一死後松尾五郎が四球で出塁すると代走に山根実を起用、野口昇に代わる代打村瀬一三が中前打、木下勇が右前打を放って一死満塁の大チャンス、左打席に好調森国五郎を迎えたところで黒鷲ベンチはファーストの中河美芳をマウンドに送り、ピッチャー石原をファーストに入れる。すると阪神ベンチは代打に若林忠志を起用、しかし中河の左腕から繰り出されるスローカーブに若林ははタイミングが合わず一塁ファウルグラウンドへの飛球、ファースト石原が向こう向きで好捕すると三走山根はタッチアップからホームに向かうが石原からキャッチャー清家に送球されてタッチアウト、両軍死力を尽くしたスリリングなシーンであった。
黒鷲は8回から中河をファーストに戻し石原が再びマウンドに上がる。
阪神は9回、先頭の土井垣が三塁に内野安打、御園生の投ゴロでランナーが入れ替わり、山根が右前打を放って一死一二塁、村瀬の三塁内野安打で一死満塁と再び大チャンスを迎える。黒鷲ベンチはここで石原を下げて再度中河をマウンドに送りファーストには菅利雄を入れる。気合を入れ直した中河は木下勇に代わる代打松木謙治郎監督を三振、松下繁二も二ゴロに打ち取り無失点で切り抜ける。
阪神先発の木下勇は7回、8回と走者を出しながら併殺で切り抜けここまで無失点、9回表の攻撃で代打が起用された関係で9回裏から阪神のマウンドには三輪八郎が立つ。
黒鷲は9回裏、先頭の山田が四球で出塁、寺内は送りバントに失敗するが玉腰が四球を選んで一死一二塁とサヨナラのチャンス、しかし中河は二ゴロ、富松も二ゴロに倒れて試合は延長戦に突入!
10回は両軍三者凡退。
阪神は11回表、一死後御園生がショートに内野安打、山根の三ゴロで御園生は二封、山根が勝負を賭けた二盗を試みるがキャッチャー清家からの送球にタッチアウト。
黒鷲は11回裏、先頭の宗宮が三失に生き、トップに返り山田の二ゴロの間に宗宮は二進、寺内が四球を選んで一死一二塁、玉腰は右飛に倒れて二死一二塁、ここで打席に立った中河が中前に劇的なサヨナラタイムリーを放って激闘に終止符を打つ。
木下勇は8回を投げて3安打3四球1三振無失点、三輪八郎は2回3分の2で1安打3四球1三振1失点。
石原繁三は合計7回3分の2を投げて7安打4四球無三振無失点、中河美芳は合計3回3分の1を投げて1安打無四球1三振無失点。
今季終了後に志願入隊して戦死することとなる中河美芳は、生涯最後の勝利を自らのサヨナラヒットで飾ったのである。
*中河美芳は生涯最後の勝利投手となった。
*延長11回の激闘の末敗れた阪神打線。
*死力を尽くした激闘を制した黒鷲ナイン。
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