１６年 阪神vs朝日 １２回戦

11月17日 （月） 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 2 0 0 0 1  2  5 阪神 41勝43敗 0.488 藤村隆男
0 1 0 0 0 1 0 0 1  0  3 朝日 25勝59敗1分 0.298 福士勇 山本秀雄

勝利投手 藤村隆男 12勝10敗
敗戦投手 山本秀雄   7勝19敗

二塁打　（神）田中、土井垣

勝利打点　松尾五郎　1

ファインプレー賞　（朝）鬼頭政一　3



今季最終戦

　いよいよ昭和16年最後の試合です。阪神は藤村隆男、朝日は福士勇が先発。午後2時11分、池田豊プレートアンパイアの右手が上がりプレイボール。

　朝日は2回、一死後伊勢川真澄が四球で出塁、室脇正信は遊飛に倒れるが広田修三が左前打、福士が四球を選んで二死満塁、前田諭治が押出し四球を選んで1点を先制する。

　阪神は初回にカイザー田中義雄、4回にも土井垣武が二塁打を放ったが無得点。

　阪神は5回、一死後森国五郎が二塁前にバントヒットを決めて出塁、トップに返り宮崎剛の右前打で一走森は三塁に走り、ライト鬼頭政一からの送球をサード岩田次男がエラー、この間に打者走者の宮崎も二塁に進んで一死二三塁、皆川定之がライト線に2点タイムリーを放って2-1と逆転に成功する。

　朝日は6回、先頭の五味芳夫がセンター右にヒット、キャチャー田中からの一塁牽制が悪送球となって無死二塁、鬼頭が送って一死三塁、岩田が四球を選んで一三塁、伊勢川真澄がスクイズを決めて2-2の同点とする。

　阪神は9回、一死後御園生崇男が四球で出塁、松尾五郎が中前打、村瀬一三の内野安打で一死満塁、藤村隆男の中犠飛で3-2と勝ち越す。

　朝日は9回裏、先頭の岩田が四球を選んで出塁、代走に井筒研一を起用、伊勢川は三振に倒れて一死一塁、室脇に代わる代打内藤幸三が左前打、これをレフト御園生が後逸する間に一走井筒が一気にホームを駆け抜け3-3の同点とする。打者走者の内藤が二塁に進み代走に野村高義を起用、広田修三に代えて代打に浅原直人を起用するが15日に帰還して4年ぶりに打席に立ったばかりでまだ2打席目ということで三振、福士に代えて代打に戸川信夫を起用するが二ゴロに倒れて延長戦に突入する。

　福士に代打を出した朝日は10回から山本秀雄をマウンドに送る。

　阪神は10回表、皆川が中飛、田中が遊ゴロに倒れて二死無走者、ここから土井垣が左前打、御園生も左前打で続き二死一二塁、松尾が左前に決勝タイムリーを放って4-3、この回からレフトに回っていた鬼頭のバックホームが悪送球となる間に一走御園生が三塁に達しパスボールで生還して5-3とする。

　藤村隆男は10回を完投して3安打7四球3三振、12勝目をあげる。


　昭和16年ペナントレースはこれにて終了、近日中に昭和17年ペナントレースの実況中継に移ります。







＊藤村隆男は今季の最終戦を3安打完投、12勝目をあげる。

＊今季最終戦の朝日打線。15日に帰還して4年ぶりに打席に立ったばかりで今季2打席目となる浅原直人の名前も見える。