2014年8月17日日曜日

17年 黒鷲vs巨人 1回戦


3月28日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 黒鷲 0勝1敗 0.00 石原繁三
4 0 2 0 0 1 0 1 X 8 巨人 1勝0敗 1.00 広瀬習一

勝利投手 広瀬習一 1勝0敗
敗戦投手 石原繁三 0勝1敗

二塁打 伊藤 2
三塁打 楠

勝利打点 伊藤健太郎 1

猛打賞 (巨)伊藤健太郎 1


伊藤健太郎猛打賞

 昭和17年ペナントレースが開幕しました。

 巨人からは吉原正喜、千葉茂、平山菊二などが応召、黒鷲も中河美芳が志願入隊した。先発は黒鷲がエースを期待される石原繁三、巨人は明日の大洋戦に中尾輝三を回して広瀬習一が先発する。

 後楽園球場の開幕試合は午後1時5分、島秀之助球審の右手が上がりプレイボール。

 黒鷲は初回、先頭の山田潔が左前打で出塁、富松信彦もレフト線にヒット、ここでダブルスチールを敢行するが三塁に走った山田はキャッチャー楠安夫からの送球にタッチアウト、玉腰忠義の投ゴロで二走冨松が三塁を狙うがピッチャー広瀬習一からサード水原茂に送球されてタッチアウト、木下政文は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 巨人は1回裏、一死後水原茂が中前打で出塁、楠もピッチャー強襲ヒット、川上哲治は三邪飛に倒れるが中島治康の右前打で一死満塁、戦場から復帰後初打席となる伊藤健太郎がレフト線に先制の2点タイムリー二塁を放ち一走水原と二走楠が生還、レフト玉腰からの三塁送球が悪送球となり一走中島も生還、打者走者の伊藤も三塁を回ってホームに向かい、バックアップのピッチャー石原がホームに送球するがこれも悪送球となって伊藤も生還、4点を先制する。

 巨人は3回、水原、楠が連続四球、川上の二ゴロで楠は二封、中島の三ゴロはゲッツーチャンスとなるがサード木下政文からの二塁送球をセカンド宗宮房之助が逸らす間に三走水原が還って5-0、一走川上も三塁に進み、伊藤の左前タイムリーで6-0と突き放す。なお一死一三塁のチャンスが続くが呉波の二ゴロはセカンド宗宮が二塁ベースを踏んで一塁送球、快足呉を刺してダブルプレー。

 巨人は6回、先頭の伊藤がレフト線に二塁打、呉の中前打で無死一三塁、小池繁雄は浅い右飛に倒れるが広瀬の二ゴロの間に三走伊藤が還って7-0とする。

 巨人は8回、先頭の呉が四球で出塁、小池の三ゴロの間に呉が快足を飛ばして三塁に進み、広瀬の中前タイムリーで呉が還り8-0とする。

 広瀬習一は大量リードをバックに6安打3四球4三振で今季初登板を完封で飾った。


 戦場から復帰して第一戦目となる伊藤健太郎がいきなり猛打賞と勝利打点を記録した。昭和16年12月4日付け読売新聞は「巨人伊藤帰還復帰」の見出しで「巨人軍の左翼手として好守好打を謳われた伊藤健太郎選手はこの程大陸の戦野から帰還、復帰した」と伝えている。この頃になると、帰還の記事は見られるが応召の記事は全く見られなくなる。都合のいい話は記事にするが都合の悪い話は書かないという情報統制が徹底している。現代人はこの頃の人たちを笑う資格はない。現在は、寧ろ当時より巧妙に、更に悪質に情報統制が進んでいる。国営放送や大手マスコミは真実を隠し、したがってネット上に何ら根拠のない風説が蔓延るのである。何が真実であるかを見抜く目を養いましょう。





*広瀬習一は今季初登板を121球の完封で飾る。














*今季初戦の巨人打線。















*今季初戦の黒鷲打線。













 

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