2014年8月31日日曜日

17年 阪神vs阪急 1回戦


3月31日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 2 0  0   1   1  4 阪神 3勝0敗 1.000 御園生崇男 若林忠志
1 0 0 0 0 1 0 0 0  0   1   0  3 阪急 2勝1敗 0.667 森弘太郎

勝利投手 若林忠志 2勝0敗
敗戦投手 森弘太郎 0勝1敗

二塁打 (急)黒田、日比野、中村

勝利打点 なし

猛打賞 山下好一 1


歴史の闇に埋もれていた好ゲーム

 阪急は初回、先頭の中島喬が三塁に内野安打、フランク山田伝が送りバントを決めて一死二塁、黒田健吾の三ゴロで二走中島が飛び出し「5-4」と送球されてタッチアウト、日比野武の一塁内野安打で二死一二塁、山下好一がセンター左にタイムリーを放ち二走黒田が還って1点を先制、バックホームの隙を突いて一走日比野も三塁に走るが「8-2-5」と転送されてタッチアウト。

 阪急は6回、一死後山田が四球で出塁、黒田のレフト線二塁打で山田が快足を飛ばしてホームに還り2-0、日比野は歩かされて一死一二塁、山下好一の右前打で二走黒田がホームを突くが「9-4-2」と送球されてタッチアウト、森田定雄は二ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪急先発の森弘太郎は7回まで阪神打線を2安打1四球無失点に抑えて完封も見えてきたが、8回からドラマはスタートする。


 阪神は8回、先頭の松尾五郎に代えてプロ入り初出場となる大島武を代打に起用、大島ががライト線にプロ入り初打席初ヒットを放って無死一塁、野口昇の三ゴロでランナーが入れ替わり、乾国雄に代わる代打藤村隆男は三振に倒れて二死一塁、阪神ベンチはここで三輪裕章に代えて30日の朝日戦でプロ入り初出場初安打を記録した玉置玉一を代打に起用、玉置は四球を選んで二死一二塁、トップに返り高山泰夫に代わる代打若林忠志が四球を選んで二死満塁、金田正泰が押出し四球を選んで1-2、カイザー田中義雄の遊ゴロをショート中村栄が二塁に送球するがセーフ、野選が記録される間に三走玉置が還って2-2の同点追い付く。田中には打点が記録されているが、記録は内野安打ではなく遊ゴロ野選であった。公式記録員・山内以九士はショート中村が一塁に投げていればアウトであったと判定したものである。続く土井垣武の遊ゴロは中村が二塁に送球、今度は一走田中を二封してスリーアウトチェンジ。

 阪神は8回の守備から代打に出た若林がライトに入り、同じく代打に出た大島がレフトに入る。更に玉置がサードに入り、サードの野口がショートに回り、ショート乾の代打に出た藤村に代わって前川正義が入ってセカンド。バッテリーとセンター金田、ファースト土井垣以外の守備陣が代わった。

 阪急は8回裏、先頭の山田が一塁に内野安打、阪神ベンチはここでセカンドをこの回から入ったばかりの前川から仁科栄三に交代、山田が二盗を決め、黒田が四球を選んで無死一二塁、阪神ベンチはレフトの大島とライトの若林を入れ替える。ここで二走山田がディレードスチールを仕掛けるとピッチャー御園生崇男は三塁に送球するがこれが悪送球となって無死二三塁、日比野は投ゴロに倒れて一死二三塁、ここで三走山田が「2-5-6」で刺されてタッチアウト、状況からするとスクイズをウエストされて三本間に挟まれたと考えられる。二死二塁から山下好一が中前打を放ち一三塁、山下が二盗を決めて二死二三塁とするが森田に代わる代打笠松実は捕邪飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は9回表、先頭の御園生が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、大島が送って一死二塁、しかし野口は中飛、仁科は二飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は9回から若林がマウンドに上がり、先発の御園生がレフトに回る。


 試合は延長戦に入り阪神11回の攻撃、先頭の田中が三塁に内野安打、土井垣は一邪飛に倒れるが御園生が左前打を放って一死一二塁、大島が左前にタイムリーを放ってプロ入り初打点を記録、3-2と勝ち越す。

 阪急は11回裏、先頭の日比野が右中間に二塁打を放つと代走に西村正夫を起用、本日3安打の山下好一は歩かされて無死一二塁、石井武夫の投前バントはピッチャー若林が三塁に送球して二走西村は二封、一死一二塁から中村がレフト線に同点二塁打を放って3-3と追い付く。なお一死二三塁とサヨナラのチャンスが続くが江口行雄は二飛、森は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は12回、二死後二死後金田が右前打で出塁すると二盗に成功、田中の三ゴロをサード黒田が一塁に痛恨の悪送球、金田が快足を飛ばしてホームを駆け抜け4-3と再度勝ち越す。

 阪急は12回裏、二死後黒田が四球を選んで出塁、池田久之が右前打、山下好一が四球を選んで二死満塁、しかし最後は石井の代打に出た井野川利春監督が三ゴロに倒れて熱戦に終止符が打たれる。


 阪神の決勝点は金田正泰の盗塁が効いたが、阪急は序盤から走塁ミスが相次いだ。結局はこの差が勝敗を分けたのである。


 物資欠乏は甚だしく、翌日の読売新聞はこの熱戦を「阪神軍連勝」の小見出しで伝えているのみで、試合内容は当ブログの解読が成されるまで72年間歴史の闇に埋もれていたのである。









 

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