2010年7月8日木曜日

12年春 イーグルスvs名古屋 8回戦

6月20日 (日) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 イーグルス 8勝32敗 0.200 畑福俊英
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 名古屋   15勝27敗 0.357 木下博喜


勝利投手 畑福俊英 5勝16敗
敗戦投手 木下博喜 2勝8敗


二塁打 (イ)小島、佐藤、畑福


バッキー・ハリス見参


 イーグルスは6月18日に登録されたばかりのバッキー・ハリスが三番キャッチャーで登場、強打の二塁打男佐藤武夫をファーストに回す。名古屋は初回、二死から小島茂男四球、大沢清得意の右打ちで右前打を放ち二死一三塁、ここでサイン違いからバッキー・ハリスがパスボールを犯し1点を先制。しかしイーグルスは3回、この回先頭の佐藤武夫が左中間に二塁打で出塁、野村実が中前打で無死一三塁、続く畑福俊英が右中間に二塁打を放ち二者生還して2-1と逆転に成功。

 畑福は2回以降名古屋打線を無得点に抑え込み、3安打4四球6三振で完投、投打のヒーローとなる。イーグルスは11連敗の後2連勝を飾る。


 注目のバッキー・ハリスは4打数1安打、遊飛、三ゴロ、一ゴロ、中前打。しかしこの中前打は飛球による安打と記録されているのでポテンの可能性もある。守っては無失策、1捕逸、7刺殺。7刺殺のうち6つは畑福の奪三振(三振の三球目を捕手が捕球した場合は「SO-2」と記録され捕手に刺殺が記録される。三球目を落球又はワンバウンドで捕球した場合は三振ナットアウトとなり、捕手がファーストに送球してアウトになった場合は「K2-3」と記録され捕手に補殺、一塁手に刺殺が記録される。捕手が打者にタッチすれば捕手に刺殺が記録される。)によるもので、もうひとつは2回裏二死無走者から三浦敏一の第一打席でスコアブックの記載は「×2」、めったに見られないプレイであるが捕前のフェアグラウンドに転がったボテボテの打球に打者走者の三浦が触れて三浦に凡打(捕ゴロか)が記録され捕手に刺殺が記録されるケース。

 畑福との呼吸であるが、上記のとおり初回にサイン違いからタイムリー捕逸を犯しているが、翌日の読売新聞によると初回は畑福がカーブ主体のピッチングでボールが先行した揚句サイン違いによる捕逸もあったが、2回以降、速球主体のピッチングに切り替え、畑福はハリスのサイン通りの投球で成功したとのこと。

 同じく読売新聞の記事中に、サム高橋吉雄が徴兵検査のため欠場とある。また、「病気の畑福」「体力的にハンデキャップのある畑福」という記述が見られる。序盤戦からの過度の投球により畑福が肩に痛みを抱えていることはこれまで何度か指摘されているが、そのことを指しているのか他の要因があるのかは判断しかねるところ。


 このカードは名古屋が5勝3敗で辛うじて勝ち越す。1回戦13対10、2回戦7対6、5回戦13対11、6回戦7対5の大接戦をいずれも名古屋が勝ってきたが、一歩違えば逆の結果になっていた試合ばかり、7、8回戦をイーグルスが連勝する伏線は最初からあったのである。

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