2010年7月16日金曜日

12年春 イーグルスvs阪急 6回戦

6月25日 (金) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 2 0 2 0 2 0 0 0   7 イーグルス 8勝35敗    0.186 松本操-古川正男
7 0 0 7 0 0 0 0 X 14 阪急     22勝20敗2分 0.524 中田武夫-宮武三郎-丸尾千年次


勝利投手 中田武夫 5勝2敗
敗戦投手 松本操  1勝4敗
セーブ    丸尾千年次 1


二塁打 (阪)上田、黒田、宮武


イーグルス、守備が破綻


 イーグルスは初回、トップの寺内一隆四球で出塁、一死後バッキー・ハリス四球、二死後杉田屋守の中前タイムリーで1点を先制。更に野村実も三遊間を破り二死満塁とするが太田健一は遊飛に終わる。
 阪急は1回裏、トップの黒田健吾が左前打で出塁、西村正夫の三前送りバントをサード杉田屋が一塁に悪送球して無死二三塁。しかしここでイーグルス先発の松本操が粘り三番宮武三郎、四番山下好一を連続三振に討ち取る。ところがここで弱気になり五番北井正雄を敬遠して二死満塁、六番上田藤夫はこの隙を見逃さず初球を狙い打って左中間に二塁打を放ち二者を迎え入れてなお二三塁、宇野錦次の投ゴロを松本が一塁に悪送球したところに動揺が見られる。更に大原敏夫四球、中田武夫押出し四球、打者一巡して黒田が三塁線を突破し、西村も内野安打で続き、結局この回大量7点をあげる。初回の両軍の二死満塁からの差がこの試合の明暗を分けることとなった。

 イーグルスは2回、二死から寺内二打席連続四球、中根右前打からハリスが今季初タイムリーを放ち2-7、サム高橋吉雄の遊ゴロをショート上田がエラーする間に中根が還り3-7としてなお二死一二塁、杉田屋が三遊間を破り二走ハリスは三塁を蹴ってホームを狙うがレフト北井正雄の渾身のバックホームにタッチアウト。

 阪急は3回から宮武をマウンドに送りファーストに林信一郎が入る。イーグルスは4回、この回先頭の寺内が三打席連続の四球で出塁、中根四球、捕逸で無死二三塁、ハリスの遊ゴロをファースト林がエラーして4-7、杉田屋が左翼線にタイムリーして5-7と2点差に迫る。

 阪急は4回裏、山下好一、北井が連続ヒット、上田の投前送りバントを又も松本が悪送球、一死後大原に代わる代打倉本信護(倉本は前日の試合で二度ランナーとしてチョンボしているので先発を外されたのであろう。全体的に言えることだが当時は拙走や拙守に対して意外と厳しい措置が取られるケースが多い)内野安打でまず1点、ここで三走北井がキャッチャーからの牽制に刺されて二死となるが林四球、黒田の遊ゴロをショート高橋がエラーして2点目、西村が押出し四球を選んで3点目、ピッチャー松本から古川正男に交代、宮武がその代わりばなを叩いて右中間に二塁打して満塁の走者一掃、この回6点目、山下好一が右前打で続き北井の三ゴロを杉田屋がエラーして1回に続いて7点をあげる。

 阪急は6回から丸尾千年次をリリーフに送る。イーグルスは6回、ハリスの右前打、杉田屋が四打席連続ヒット、野村のタイムリーなどで2点を返す粘りを見せるが阪急が快勝。イーグルス失点14のうち自責点は僅かに2点であり、6つのエラーが響く。サードを守る杉田屋守は4安打を放ち打では殊勲甲であるが3失策、ショート高橋もタイムリーエラーが多い。ショートを固めて高橋をサードに回し杉田屋を外野に戻すことがイーグルス浮上の鍵となる。

 阪急では北井正雄が5打数4安打、守っても好返球で補殺を記録、残された日が少なくなっていることを知っているかのような活躍ぶりである。

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