7月7日 (水) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 2 0 1 0 0 0 3 0 0 2 8 金鯱 20勝28敗1分 0.417 鈴木鶴雄-中山正嘉
1 0 1 2 0 0 0 2 0 0 0 3X 9 阪急 26勝22敗2分 0.542 石田光彦-重松通雄-笠松実
勝利投手 石田光彦 6勝4敗
敗戦投手 鈴木鶴雄 4勝7敗
セーブ 笠松実 1
二塁打 (金)瀬井 (阪) 山下好、宮武、堀尾
今季最高試合
阪急は山下実が短期兵役から復帰して四番ファーストに入る。宮武三郎はサードに入って三番、黒田健吾も復帰してショートに入る。一番(9)西村正夫、二番(6)黒田健吾、三番(5)宮武三郎、四番(3)山下実、五番(9)北井正雄(10回からジミー堀尾文人)、六番山下好一と並ぶ打線は古今東西を見渡しても歴代最強打線ではないか。
阪急は初回、西村左前打、黒田の送りバントは内野安打となり無死一二塁、宮武のセンターフライで西村は三塁へ、しかも一走黒田もタッチアップから二塁に進んでいることから推測すると宮武の当りはあわやホームランという当りだったのではないか。山下実の二ゴロをセカンド五味芳夫がバックホームするがこれが野選となり1点を先制。金鯱は3回、その五味が中前打で出塁、一死後島秀之助の遊ゴロをショート黒田がセカンドに送球するがこちらも野選となり一死一二塁。急造ショートの不安が顕在化するが打者走者島の快足を考えるとセカンド送球は仕方のないところか、であれば島の内野安打であってもおかしくはない(野選ですから島の記録は遊ゴロ)。小林利蔵の投ゴロで島は二封、三走五味は動けず二死一三塁、ここで小林利が二盗、キャッチャー倉本信護からの送球が悪送球となる間に五味が還って1-1の同点、瀬井清が右中間に二塁打を放ち2-1と逆転。
阪急は3回裏、北井がセンター右にはじき返し山下好一右中間二塁打で無死二三塁、ここで倉本がスクイズを決めて2-2の同点に追い付く。阪急は4回、こちらも久々復帰の石田光彦が右翼線安打で出塁、西村遊失、黒田が送って一死二三塁、宮武の右犠飛で3-2として西村も三塁に進む。この走塁が効いて山下実四球後の盗塁がキャッチャー相原輝夫の悪送球を誘い西村が還って4-2、両軍似たような得点経過をたどる。
金鯱は5回、二死から小林利が中越えに三塁打、続く瀬井も右中間にバックツーバックの三塁打を放ち3-4とする。因みにバックツーバックとは「連続」という意味で使われており、大リーグの中継を原語で聴いていると頻繁に出てきます(二者連続ホームラン、二打席連続ホームランの場合等)。更に因みに1992年・93年と二年連続ワールドシリーズを制したトロント・ブルージェイズのビデオのタイトルはズバリ「BACK 2 BACK」です(実際のスペルは「bacck to bacck」のようです。更に本来の意味は輸出と輸入との同時開設信用状のことのようです。)。
8回表まで小康状態が続いて阪急は8回裏、一死後西村が四球で出塁、黒田の中前打で又も西村は三塁に好走塁、黒田が二盗を決めて一死二三塁、宮武の右前タイムリーで5-3、山下実のショート後方への当りが左前に落ちて黒田も還り6-3、しかし一走宮武は二封されて記録はレフトゴロ。勝負は決したかに見えた。
しかし勝負は下駄を履くまで分からない。金鯱は9回、一死後濃人渉、島が連続四球、小林利の左前打で濃人が還って4-6、瀬井の遊ゴロはショート黒田からファースト山下実に送球されるがこれを山下実が落球する間に島が還って5-6、約1カ月ぶりの実戦で試合勘はまだ戻っていないか。黒澤俊夫の右飛で二走小林利は三塁に進んで二死一三塁、ここで起死回生のダブルスチールが決まって金鯱が土壇場で6-6と追い付く。9回裏の阪急は8回から登板の中山正嘉に抑えられて延長戦に突入。
金鯱は12回表、先頭の黒澤俊夫が三塁内野安打とサード悪送球で無死二塁、松元三彦の投前送りバントがピッチャーエラーを誘い無死一三塁、ここで相原が中前にタイムリーを放って7-6としてなお一三塁、中山の右犠飛で8-6として今度こそ勝負あったか。
阪急は12回裏、笠松実四球、西村中前打、黒田が送って一死二三塁。宮武の右前打で1点返して7-8、山下実の左犠飛で8-8の同点に追い付く。ここでバッターは前の打席で北井の代打で登場してそのままライトに入っているジミー堀尾文人、堀尾の一打は右中間を抜き宮武の代走林信一郎が勇躍ホームを駆け抜け阪急が逆転サヨナラ勝ちをおさめることとなった。
時計の針は18時37分、試合開始は16時10分、2時間27分の大熱戦は日没引分け寸前のサヨナラ劇となった。恐らく今季最高試合であろう。
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