2010年7月26日月曜日

12年春 ジャイアンツvsイーグルス 8回戦

7月4日 (日) 洲崎


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 2 0 0 0 0 0 3 ジャイアンツ 39勝11敗1分 0.780 澤村栄治
0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 イーグルス    8勝39敗    0.170 松本操-藤野文三郎


勝利投手 澤村栄治 23勝3敗
敗戦投手 松本操    1勝5敗


二塁打 (イ)ハリス
三塁打 (ジ)中島


ジャイアンツ、マジックナンバー4


 ジャイアンツは2回、先頭の中島治康がピッチャー強襲ヒットで出塁、前川八郎の遊ゴロをショートサム高橋吉雄が失して永澤富士雄の送りバントが内野安打となり無死満塁、筒井修の遊ゴロで中島は本封となり一死満塁、内堀保の当りはショート後方への飛球、これが中前にポトリと落ちて前川が生還、しかし二走永澤はハーフウェイから三塁に走るがセンター杉田屋守からのバックサードに封じられて内堀の記録はセンターゴロ。矢張り杉田屋には外野を守らせるべきである。

 ジャイアンツは4回、先頭の中島が右中間に三塁打、前川四球で無死一三塁、ここで松本操の一塁牽制が悪送球となり中島が生還して2-0、前川も三塁に進み永澤の三遊間タイムリーで前川が還って3-0とリードを広げる。

 ジャイアンツ先発の澤村栄治は3回までパーフェクトピッチング、しかも3回は一死後連続三振で締める。これまで澤村栄治はイーグルス戦に二度登板して、5安打5四球6三振1失点の完投と3安打1四球4三振の完封勝利、残る5試合は前川とスタルヒンに任せており、イーグルス戦ではそれほど力を入れたピッチングは見せていない。しかし本日は優勝のカウントダウンの最中であり前日はスタルヒンがノーヒットノーランをやったばかり、この日は狙っている雰囲気である。

 イーグルスは4回、二死からバッキー・ハリスが右中間に二塁打を放ち初ヒットを記録、この直後四番のサム高橋吉雄に今季二個目となるデッドボールを与えているのが本日は狙っていた証拠である。裏を返せばいかに澤村と言えども狙ってノーヒット・ノーランはできるものではないということか。イーグルスは13イニング振りのヒットとなる。5、6回無安打が続き7回、二死から本日レフトでスタメン登場の畑福俊英中前打、佐藤武夫三塁内野安打漆原進四球で満塁とするが代打太田健一は三振に倒れる。

 イーグルスは8回、一死後田村稔が三塁線安打で出塁、ハリス、高橋連続四球で一死満塁、杉田屋守の右犠飛で1-3、ハリスも三塁に進む。更に畑福に代わる代打金井清が左前にタイムリーを放ち2-3と詰め寄るが佐藤は左飛に終わる。
 澤村栄治は最終回を三者凡退で締めて5安打4四球1死球9三振の完投で23勝目をあげ、ジャイアンツはマジックを4とする。

 このカードはジャイアンツが8戦全勝、両チームの実力差から致し方ないところか。6回戦ではイーグルスが8回に一挙8点をあげ一時は9対5とリードしたがジャイアンツが10対9でサヨナラ勝ち。本日も澤村を惜しいところまで追い詰めた。


 なお、昭和12年春季リーグ戦において澤村が与えた死球は、5月22日対セネタース3回戦2回表無死から伊藤次郎に対してと、本日のサム高橋吉雄に対しての2個となります。与四球は68個であり与四死球は70個ですが、澤村の与四死球は69個と伝えられているケースもあるようです(某書籍にも与四死球69となっています。日本プロ野球記録大全集では与四球が68となっており、私がスコアブックに残されている記録を集計しても与四球が68個、与死球が2個となっております)。数字のチェックは二三度しておりますので間違いは無いと思いますが、今季のアップが終了した時点でもう一度澤村登板時のスコアブックを全て洗い直して確認する予定です。

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