2010年7月10日土曜日

12年春 阪急vsジャイアンツ 8回戦

6月20日 (日) 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 阪急       20勝19敗2分 0.513 笠松実
1 0 0 1 1 0 0 0 X 3 ジャイアンツ 32勝10敗1分 0.762 スタルヒン


スタルヒン 10勝4敗
笠松実    4勝6敗


二塁打 (阪)笠松 (ジ)三原2、スタルヒン
三塁打 (阪)笠松


スタルヒン力投、10勝目をあげる


 前日澤村で負けただけにジャイアンツとしてはもう負けられない一戦。澤村連投もあり得る選択肢ではあるがここはスタルヒンに賭ける。一方阪急は三番に昨日のヒーローファースト宮武三郎、四番にレフト北井正雄を配して応戦。

 ジャイアンツは初回、トップの三原脩が右中間二塁打、呉波四球、ここでいきなりダブルスチールを決めて無死二三塁、続く水原茂の三ゴロで三原はホームを突きかけるが自重、しかし呉は三塁へ、サード黒田健吾からのバックホームを受けたキャッチャー倉本信護は三走三原を三塁まで追い詰め二塁から三塁に達していた呉と三原にタッチ、この場合三走三原に占有権があるため呉がタッチアウトとなり一死三塁、呉のスコアブックの記載は「5-2C」(二走呉はサードゴロがバックホームされてからキャッチャーに三塁ベースでタッチアウトされると読みますので記載したプレー以外考えられない。)。呉は倉本にタッチされる寸前に二塁方向にダッシュして挟殺札プレイを誘い、ミスがあった場合三走三原が生還するという方法をとるべきであったのではないか。この後四番中島治康が中犠飛を打ち上げ三原が還りジャイアンツが1点を先制。

 阪急は2回、この回先頭の山下好一右前打、上田藤夫の一ゴロで山下好一二進、宇野錦次四球、倉本三振で二死一二塁、笠松実の二球目にキャッチャー倉信雄がパスボールを犯し二死一三塁、ここで笠松が右中間に三塁打を放ち2-1と逆転に成功。

 ジャイアンツは4回、呉四球と盗塁、水原左前打、中島四球の無死満塁で永澤富士雄が右犠飛を打ち上げて呉が生還し2-2の同点とする。ジャイアンツは更に5回、二死後スタルヒンが右中間に二塁打、トップに返り三原が右翼線に二塁打を放ち3-2と逆転に成功する。


 スタルヒンは2回以降、笠松の二塁打以外は北井の3安打だけに抑えて6安打3四球11三振の力投で10勝目をあげる。
 北井正雄はこの日4打数3安打、8回には二盗も記録する。まるで残された日を楽しむかのような活躍である。


 結局このカードはジャイアンツが6勝2敗と勝ち越すが、楽勝は8対0で澤村が完封した6回戦のみ、1点差勝利が4試合、2点差が1試合であった。開幕前の予想ではジャイアンツ、タイガースの対抗馬と目されていた阪急であるが、下馬評通りの戦いを見せたと言える。7回戦の重松の完投勝利と宮武が澤村を打ち砕いた一打が印象に残る。

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