2010年7月8日木曜日

12年春 セネタースvsタイガース 8回戦

6月20日 (日) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 1 0 0 2 セネタース 23勝18敗   0.561 伊藤次郎-浅岡三郎
0 0 2 0 3 0 0 1 X 6 タイガース 33勝8敗1分 0.805 西村幸生-御園生崇男-藤村富美男


勝利投手 西村幸生 8勝2敗
敗戦投手 浅岡三郎 4勝10敗


二塁打 (セ)中村信 (タ)藤井
三塁打 (タ)山口


タイガース、継投策で八連勝


 優勝争いも佳境に入ってきた日曜日とあって上井草に集まった観衆は4,779人。西宮は8,988人の観衆を集める。 

 タイガースは3回、一死後岡田宗芳、松木謙治郎が連続四球、次のプレーはスコアブックには「(1)4’-2」と記載されており、二走岡田がホームインしているが一走松木は一塁に止まったままである。スコアブックの記載からは「ピッチャーからの牽制をセカンド苅田がキャッチャーに悪送球する間に岡田がホームイン、しかし松木は動けず」と読めるがこれだけでは意味が分からない。翌日の読売新聞には「二塁牽制球を二塁手が遊撃手に渡さんとして無造作に投げたのが両者間に止まっている間に二塁から一挙本塁を陥れたものであり、・・・(中略)・・・岡田の長駆生還は記録上二塁手の悪投となっているが普通なれば当然三塁に踏止まるべきを猛然と本塁を衝いた岡田の機敏と健脚を賞さねばならない。」と記述されている。苅田は4,779人の観客を喜ばせようと、何かトリックプレイを試みたのではないか、ショート中村信一との呼吸が合わなかった隙を岡田が見逃さず、果敢に本塁突入を試みたのではないでしょうか。いずれにしてもタイガースが1点を先制。藤井勇二塁打、景浦将四球から山口政信が押出し四球を選んで2-0とする。

 セネタースは4回、一死後尾茂田叶が二塁打で出塁、中村民雄四球、伊藤次郎三ゴロで中村民二封、二死一三塁から尾茂田、伊藤によるダブルスチールが決まり1-2。しかしタイガースは5回、藤井中前打、景浦四球から山口が右中間に三塁打を放ち山口も伊賀上良平の中犠飛で還りこの回3点、5-1と突き放す。タイガースは8回にも松木の中犠飛で加点し、6-2で快勝、連勝を8に伸ばす。投げても西村幸生4回、御園生崇男3回、藤村富美男2回と三人の継投でセネタース打線を抑え込む。昨日ジャイアンツが破れて1.5ゲーム差とした直後の重要な試合とあって慎重な投手リレーで必勝を期したのであろう。
 
 結局このカードはタイガースの7勝1敗という結果を見た。1回戦は延長12回、野口明が完投勝利、2回戦は西村幸生の職業野球入り初完封、4回戦ではセネタース伊藤次郎が好投するも惜敗、6回戦は景浦将が野口明に雪辱するなど、好勝負の多いカードであった。

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