１２年春 大東京vs阪急 ７回戦

6月15日 （火） 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 0 3 0 0 2 0 2 9　大東京　１４勝２１敗２分　0.400　菊矢吉男
2 0 0 0 1 0 0 0 1 4　阪急　　 １８勝１８敗１分　0.500　石田光彦


勝利投手　菊矢吉男　３勝０敗
敗戦投手　石田光彦　５勝４敗


二塁打　（大）中村、菊矢　（阪）北井
三塁打　（大）煤孫


阪急、１５残塁の拙攻


　大東京は初回、トップの鬼頭数雄が中前打で出塁、大友一明四球後、水谷則一の二ゴロは4-6-3のゲッツー、鬼頭は三塁に進む。ここで阪急先発中田武夫が三塁に牽制悪送球、大東京が1点を先制する。阪急はその裏、トップの西村正夫四球、黒田健吾の遊ゴロでランナーが入れ替わり宮武三郎右前打で一死一三塁、山下好一が中前にタイムリーを放ち1-1の同点、上田藤夫四球後、宇野錦次が左翼線にタイムリーを放って2-1と逆転に成功する。しかし大東京は2回、三失に生きた中村三郎を煤孫伝の右中間三塁打で還して同点に追い付く。

　大東京は4回、この回先頭の四番浅原直人が四球で出塁、中村左翼線二塁打で無死一二塁として阪急先発の中田をマウンドから引きずり降ろし二番手石田光彦が登板。煤孫の一ゴロをファースト宮武三郎が失して1点入り、柳澤騰市、菊矢吉男の連続タイムリーで5-2と突き放す。阪急は5回、二打席連続一ゴロと元気のないジミー堀尾文人に代わって6月12日に完投勝利をあげた北井正雄を代打に起用、北井が右翼線に二塁打を放ち、宇野の中飛をセンター煤孫が落球する間に北井が還り3-5と詰め寄る。北井は7回にも右前打を放ちこの日3打数2安打の活躍を見せる。


　大東京は7回、菊矢吉男右中間二塁打、鬼頭の右前タイムリー、二死後、浅原が右前にはじき返して7-3と突き放す。9回にも鬼頭、水谷、のヒットを足場に一死二三塁のチャンスを貰うと浅原が右前に2点タイムリーを放って9-3とする。　
　
　両軍共に12安打ずつ、阪急は更に6四球を得ながら15残塁の拙攻。大東京ではトップの鬼頭数雄が3安打3得点、前の試合から四番に入る浅原直人が2安打2打点の活躍。菊矢吉男は12安打6四球ながら阪急の拙攻にも助けられて6三振の完投で無傷の3連勝。今季無傷の3連勝を記録している投手は、澤村栄治、野口明を別格に序盤戦好調の阪急石田光彦、笠松実とタイガース御園生崇男だけで、遅れてきた大物菊矢吉男は6人目。