2010年6月20日日曜日

12年春 ジャイアンツvsセネタース 6回戦

6月6日 (日) 洲崎


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 3 0 1 0    4 ジャイアンツ 24勝9敗1分 0.727 澤村栄治
1 0 0 0 0 0 0    1 セネタース  19勝13敗   0.594 浅岡三郎
       (7回コールド)
勝利投手 澤村栄治 16勝2敗
敗戦投手 浅岡三郎  4勝8敗


二塁打 (ジ)呉 (セ)浅岡
本塁打 (セ)苅田 1号


澤村栄治、雨中の快投


 既に梅雨入りしているのか全国的に雨模様、甲子園は早々と雨天中止、賀陽宮五殿下がご来場された洲崎球場は1,755人の観衆を集めて午後1時35分雨の中プレイボール。

 昨日野口明に完封されて首位タイガースとの差を1.5ゲームに広げられたジャイアンツは負けられない一戦とあってエース澤村栄治の先発。しかしセネタースは初回、澤村が投じた第1球目、先頭の苅田久徳が五殿下もビックリの先頭打者ホームランを左翼スタンドに叩き込み1点を先制。澤村はこの一発で目が覚めたかその後は7回まで2安打無四球8三振でセネタース打線を封じ込める。

 ジャイアンツは4回、先頭の筒井修死球、永澤富士雄が送り内堀保四球の一死一二塁で澤村が右前に同点タイムリーを放つ。しかもライト伊藤次郎がこれを失しする間に内堀も還り2-1と逆転。更に呉波の一ゴロで三塁に進んだ澤村がキャッチャー北浦三男の捕逸で生還して3-1。ジャイアンツは6回にもヒットと盗塁の永澤を呉の右中間二塁打で還して4-1とする。この後雨脚が強くなり7回終了で雨天コールドゲーム、澤村は16勝目をあげる。


 Wikipediaによると賀陽宮恒憲王は「野球の宮様」とも呼ばれ、昭和9年に渡米した際にはヤンキー・スタジアムで試合を観戦したとのこと。また、野球の事業化に着手したが失敗したともある。翌日の読売新聞は「畏れ多くも五殿下のあらせられるネット裏の御席まで雨滴を飛ばすさまに聯盟関係者一同いたく恐縮申し上げたが五殿下には御かまいもなく雨中に1時間余試合終了まで御熱心に御観戦遊ばされ、2時40分御帰還遊ばされた。試合中殿下はご説明申上げる富樫聯盟理事長をかえりみさせられて「職業野球はスピーディで良い。澤村投手の球は一寸大学リーグの選手には打てまい」などといろいろ専門的なご批評を賜った由で富樫聯盟理事長もいたく恐縮、聯盟関係者一同もこの光栄に大いに感激している。」と報じている。

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