今節は各チーム4試合づつの豪華版。ジャイアンツが4連勝、タイガースが3勝1敗で両者の差は半ゲーム差に縮まった。セネタース、阪急、大東京が各2勝、名古屋、金鯱が1勝、イーグルスは4連敗。
週間MVP
阪急 北井正雄 1
この選出にははっきり言って私情をはさんでおります。客観的には1節あたり3勝という空前絶後の記録を樹立したスタルヒンの単独受賞が妥当ですが、今節をおいて北井正雄に受賞の時間的余裕が残されておりませんのでご了承願います(当ブログにおける各賞の選定基準については2010年3月24日付けブログ「解読」4.その他参照)。
6月12日の対名古屋5回戦の快投以降、北井には投げるだけの力が残っていなかったのか外野手としての出場が続きます。北井本人には自らの残された時間が分かっていたのだと思います。北井の病についてはその死まで周りが分かっていたという記録は残されておりませんが、この後の使われ方からみると、周りのだれかに相談していたのではないかと思われます。関西大学時代から親しかった西村正夫か、人格者三宅大輔監督か(巨人監督時代には澤村や田部武雄にも慕われていた)、あるいは入団時に世話になった村上実マネージャーか。
いずれにしても、その生命を懸けた快投に対して、当ブログから週間MVPを授与するものとさせていただきます。
ジャイアンツ スタルヒン 1
今節3勝をあげる活躍。依然一本立ちとは言いかねる面も残っていますが、徐々に成長していることは事実。
タイガース 奈良友夫 1
奈良友夫(広島商業)は強打タイガースの三番に定着し、今節15打数5安打5打点の活躍。タイガース内野陣の競争は激しく、ショートは岡田宗芳(広陵中学)、サードは伊賀上良平(松山商業)が定着していることから残るセカンドを藤村富美男(呉港中学)皆川定之(桐生中学)、本堂保次(日新商業:山口政信の後輩)、比留木虎雄(長崎商業)という同年代の俊英と競うこととなる。
石本秀一監督としては広島商業監督時の教え子ということもあり、えこひいきと取られないためにも広島商業時代以上のスパルタで鍛え上げたことは想像に難くない。昭和12年春のタイガースの報道陣をシャットアウトしたトレーニングは、松木によると「若手に課した猛特訓はとても親や親戚には見せられるものではなかった」という。
6月13日の対イーグルス6回戦ではチームが16得点する中、一人蚊帳の外の2打数2三振で即座に藤村富美男と交代させられている。レギュラー定着には精進あるのみ。
殊勲賞
大東京 浅原直人 1
対阪急5回戦延長11回表、決勝のホームスチールを決める。この試合の9回には、1点ビハインドの場面で代走坪内道則もホームスチールで同点としている。
敢闘賞
大東京 近藤久 2
対阪急6回戦において延長16回を完投。打者64人に対して7安打9四球3三振。
技能賞
ジャイアンツ 永澤富士雄
今節17打数8安打8打点。週間MVPでもおかしくない活躍であるが、8打点はイーグルス戦のものであり(ジャイアンツの得点は11点と10点)若手の奈良友夫に譲ってもらう。イーグルス二連戦では二試合連続二塁打2本。
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