2010年6月26日土曜日

12年春 金鯱vsジャイアンツ 5回戦

6月12日 (土) 洲崎


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 金鯱      14勝19敗1分 0.424 古谷倉之助-鈴木鶴雄
0 1 1 0 0 2 2 0 X 6 ジャイアンツ 27勝9敗1分   0.750 澤村栄治


勝利投手 澤村栄治 17勝2敗
敗戦投手 鈴木鶴雄  2勝5敗


二塁打 (金)古谷 (ジ)内堀
三塁打 (金)瀬井 (ジ)呉、伊藤


澤村栄治、今季最多の12奪三振


 ジャイアンツは6月10日、11日のイーグルス戦はスタルヒン、前川八郎のみで連勝してきただけに本日の澤村栄治先発は予想通り、第二節の対戦(5月15日、16日)では金鯱は3回戦の澤村を避けて4回戦に古谷倉之助を投入して引分けに持ち込んだが本日は澤村にぶつけてきた。

 ジャイアンツは2回、伊藤健太郎、永澤富士雄の連打と捕逸で一死二三塁とし、筒井修の三ゴロをサード瀬井清が一塁に悪送球する間に伊藤が還り1点を先制。更に3回、呉波が四球で歩くと二盗に成功、水原茂の右前打で呉が快足を飛ばしてホームに還り2-0とする。金鯱は4回から古谷をファーストに回し二番手に鈴木鶴雄を投入、古谷を温存しつつ追い付けば再投入の構えをとる。この辺りに岡田源三郎監督の深謀遠慮が見て取れる。Wikipediaによると岡田源三郎は明治大学監督時代、奇策を駆使した戦法で早慶両校を悩ませ1923年秋、明治大学にリーグ戦初優勝をもたらしたとのこと、二出川延明、湯浅禎夫、田部武雄、松木謙治郎を育てたことで知られる。この岡田と松木の関係が今シーズンの行方を左右することとなる。

 金鯱は5回、瀬井清が中越え三塁打を放つ。しかし三上良夫の代打スリム平川喜代美、小林茂太は連続三振、相原輝夫四球で二死一三塁、ここで相原が二盗、キャッチャー内堀保の送球が逸れて瀬井が生還して1-2とする。続く濃人渉も三振、ここぞという時の澤村のピッチングは本気で三振を獲りに行く。

 ジャイアンツは6回、二死から内堀四球、三原脩中前打で二死一二塁とし、呉の右中間三塁打で2点を追加、7回にも中島治康右前打、伊藤中越え三塁打、筒井修の遊ゴロで2点を追加して6-1とする。結局古谷に再登板の機会は訪れることなくゲームセットのサイレンが高らかに鳴り響く。

 澤村栄治は4安打4四球、今季五度目の二桁奪三振、今季最多の12三振を奪い完投で17勝目をあげる。なお、古谷倉之助の降板に疑問を感じられる方もいらっしゃるかと思いますがそれは現代の豊富な先発陣を抱えた時代を基準にしているからであり、金鯱が唯一の切り札である古谷をどう有効活用するのか、全ての野球人にとって未経験となる本邦初の長期リーグ戦も半ばを過ぎてきて各チームの投手陣のやり繰り事情を検証してみるのも面白いかも。

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