6月5日 (土) 洲崎
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 2 0 0 3 セネタース 19勝12敗 0.613 野口明
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ジャイアンツ 23勝9敗1分 0.719 前川八郎-スタルヒン
勝利投手 野口明 11勝3敗
敗戦投手 スタルヒン 5勝4敗
ジャイアンツ打線、野口明に手も足も出ず
ジャイアンツは先発に前川八郎を起用、一方セネタースは連投でエース野口明を起用。6月2日は野口明、澤村栄治ともに完投しているだけにジャイアンツはセネタース先発は伊藤次郎と見たか。先発読み違えの時点で勝負あったと言っては言い過ぎか。
野口明は絶好調だった春先にも見られなかったような今季最高のピッチングでジャイアンツ打線を2安打3四球1死球3三振の完封に斬って捨てる。特に2回、伊藤健太郎に与えた死球が効いた。続く内堀保は二ゴロ、永澤富士雄は二飛と完全に腰が引けてしまった。これでは野口の小気味よい外角速球とカーブは打てない。
セネタースは3回、北浦三男が中前打で出塁、続く野口明は投前に送りバント、当りが強すぎて前川は二塁に送球、しかしこれが悪送球となり無死一二塁、野口明には犠打は記録されず(もちろん安打も記録されず)、野選ではなく前川にエラーが記録される、すなわち前川の送球が逸れなければアウトであったと判定されたもの(スコアブックには「BH」と記録されているが意味は不明)。横沢七郎が送り苅田久徳四球で一死満塁、中村信一が中犠飛を打ち上げ1点を先制、しかし野口明はタッチアップから三塁を欲張り三塁タッチアウト。スコアブックには8-3-1と記録されているので、恐らくサード水原は中村信のスクイズを警戒して前進守備をとっていたためサードベースが開いていたことから野口明は三塁に走ったのではないか。しかし内外野も守る前川八郎が素早く三塁ベースカバーに入って中継のファースト永澤富士雄からの送球を受けて野口明をタッチアウトにしたのではないか。
ジャイアンツは5回からスタルヒンをマウンドに送るがセネタースは7回、この回先頭の大貫賢が左前打で出塁、北浦が送って野口明右前打で一死一三塁、九番横沢七が中前にはじき返して貴重な追加点。苅田二失後、中村信のショートへの内野安打で3-0とする。
野口明は7回までジャイアンツ打線をノーヒットに抑える完璧な出来栄え、これでジャイアンツ戦は3勝負けなし。8回永澤、9回三原修に中前打を許すがジャイアンツ打線を封じ込めて今季4度目の完封で11勝目を飾る。翌日の読売新聞には「野口無類の好投」の大見出しが載る。
首位を行くタイガースが負けないだけにジャイアンツとしては手痛い敗戦、ゲーム差は1.5に開く。
なお、現行ルールでは先取点を取られた前川八郎が負け投手となるが、公式記録ではスタルヒンに負けが記録されている。
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