2013年1月6日日曜日

15年 名古屋vsイーグルス 8回戦 満州リーグ


8月4日 (日) 大連 満倶球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  1   1 名古屋       32勝23敗4分 0.582 西沢道夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0 イーグルス 28勝28敗3分 0.500 玉腰忠義

勝利投手 西沢道夫 10勝5敗
敗戦投手 玉腰忠義   1勝2敗

勝利打点 中村三郎 3


名古屋、全員安打

 この日は鞍山 昭和製鋼球場でライオンvs金鯱戦とライオンvsタイガース戦が予定されていたが雨のため中止となった。

 満州リーグは過酷なスケジュールとなるが、イーグルスは7月31日が奉天、8月1日が大連で試合があり、3日の奉天の試合に備えて奉天入りしたが雨のため中止となり大連に戻って本日の試合を迎えた。満州入りして既に大連-奉天間を2往復しており、移動距離は1,600キロに及んでいる。一方の名古屋は1日と3日に続いて大連に留まっての連戦となる。


 名古屋が押し気味に試合を進めた。名古屋は2回、二死後中村三郎、芳賀直一が連続左前打を放つが西沢道夫は二ゴロに倒れる。3回、一死後村瀬一三が左前打、大沢清の投ゴロの間に村瀬は二進、吉田猪佐喜の左前打で村瀬はホームを突くがレフト谷義夫からのバックホームにタッチアウト。5回、二死後村瀬が四球で出塁すると二盗に成功、キャッチャー清家忠太郎からの送球がセンターに抜けて村瀬は三塁に向かうがバックアップの岩垣二郎からの送球にタッチアウト。6回は左前打から二盗と内野ゴロで三塁に進んだ大沢がホームスチールを敢行するがタッチアウト。

 名古屋は7回、一死後中村が四球で出塁、芳賀は左前打、西沢も左前打を放って一死満塁、しかし石田政良のスクイズは捕邪飛となって失敗、村瀬も投ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。8回は先頭の大沢が四球で出塁、吉田は中飛に倒れるが桝嘉一が左翼線にヒット、三浦敏一が四球を選んで一死満塁、中村が犠牲フライには十分の中飛を放つが翌日の満州日日新聞によると「大沢は離塁を誤って本塁を衝くことができず」この回も無得点。9回も一死後石田が左前打、村瀬は右飛に倒れるが石田が二盗に成功、大沢四球で二死一二塁とするが吉田は遊ゴロに倒れる。

 イーグルス打線は名古屋先発の西沢道夫に9回まで3安打に抑えられて無得点。2回は先頭の谷が左前打で出塁するが玉腰忠義の一ゴロはファースト大沢がベースタッチしてから二塁に送球してタッチアウト、「3-6B」でダブルプレー。6回も一死後岡田福吉が中前打を放つが岩垣の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。

 名古屋は10回、先頭の桝が四球で出塁、ピッチャー玉腰からの牽制が悪送球となって無死二塁、三浦の三前送りバントが内野安打となって無死一三塁、三浦が二盗を決めて無死二三塁、玉腰の投球をキャッチャー宮崎皓が逸らし、三走桝がホームを突くが玉腰がホームカバーに入り宮崎からの送球にタッチアウト、この間に二走が三進して一死三塁、中村が右犠飛を打ち上げてようやく先制の1点をあげる。

 西沢道夫は10回裏のイーグルスの反撃を三者凡退に抑えて3安打3四球1三振で今季4度目の完封、10勝目をあげる。


 名古屋は全員安打を記録、10安打8四球で13残塁であった。試合経過から見ると拙走が続いたようにも見えるが最後は三浦の二盗が効いた。好走と凡走は紙一重です。


 イーグルス先発の玉腰忠義は10回を完投して10安打8四球1三振。当時の論評によると玉腰はスピードは無いがインシュートを武器としており、この日はアウドロも良かったようだ。投げれば好投を続けているが打線の援護が無くピッチャーとしての通算成績は1勝6敗に終わり、戦後は駿足好打の外野手として活躍することとなる。センスに優れているところはぷプレー振りからもうかがわれる。1日のジャイアンツ戦ではピッチャーとして3つの併殺を記録、本日も9回の本塁ベースカバーなど守備にも優れている。

 名古屋の放った10安打のうち外野に飛んだヒットは全てレフト方向への打球であった。名古屋打線は全員右打者で、玉腰の決め球であるシュートを狙っていったようです。









*西沢道夫は延長10回を3安打に抑えて今季4度目の完封、10勝目をあげる。玉腰忠義も10安打8四球を許しながら粘りのピッチングを見せた。












*全員安打を記録した名古屋打線。全てシングルヒットであった。打球方向を見ると全て左方向であることが分かる。玉腰忠義のシュートを狙っていたようです。右打ちの大沢清まで左前打を放っています。













 

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