7月31日 (水) 奉天 満鉄球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 1 0 2 0 0 0 4 ジャイアンツ 38勝19敗 0.667 中尾輝三
1 3 0 1 0 1 0 0 X 6 金鯱 14勝36敗7分 0.280 内藤幸三 中山正嘉
勝利投手 中山正嘉 7勝17敗
敗戦投手 中尾輝三 14勝6敗
勝利打点 五味芳夫 1
開幕緒戦
雨で1日順延となった満州リーグ開幕戦は午後4時ちょうど、大村満鉄総裁がサインを入れた白球を猪子理事が金鯱キャッチャー松元三彦のミットにストライク投球する始球式により火蓋を切った。猪子理事は往年の名投手らしい。4時5分、金政卯一球審の右手が上がりプレイボール。
ジャイアンツは初回、先頭の白石敏男が左前打で出塁、水原茂が投前に送りバントを決めて一死二塁、中島治康が右翼線に先制タイムリーを放って1-0とする。中島がワイルドピッチで二塁に進み川上哲治は四球、千葉茂は中飛に倒れるが平山菊二も四球を選んで二死満塁、しかし吉原正喜は三飛に倒れてスリーアウトチェンジ。
金鯱は1回裏、先頭の五味芳夫が右中間にヒット、佐々木の送りバントはキャチャー吉原がダッシュ良く飛び出して五味を二封、佐々木が二盗を決めて一死二塁、濃人渉は一飛に倒れるが黒澤俊夫が中前に同点タイムリーを放って1-1とする。
金鯱は2回、一死後松元三彦がツーナッシングから粘って四球、内藤幸三、漆原進が連続ストレートの四球を選んで一死満塁、トップに返り五味が押出し四球を選んで2-1と逆転、佐々木は捕邪飛に倒れるが、濃人が三遊間を破る2点タイムリーを放って4-1と突き放す。
ジャイアンツは4回、先頭の平山が右前打、吉原が四球を選んで無死一二塁、呉波の投ゴロで平山は三封、中尾輝三が四球を選んで一死満塁、金鯱ベンチはここで先発の内藤から中山正嘉にスイッチ、白石の左犠飛で2-4、しかし水原が三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。
金鯱は4回裏、一死後漆原が左前打、五味の遊ゴロが野選を誘い、佐々木は左飛に倒れて二死一二塁、濃人が中前にタイムリーを放って5-2と突き放す。
ジャイアンツは6回、先頭の中尾の三ゴロをサード漆原がエラー、トップに返り白石が四球を選んで無死一二塁、水原の三ゴロを漆原が一塁に悪送球する間に二走中尾に続いて一走白石までもが還って4-5と追い詰める。
金鯱は6回、先頭の漆原が汚名返上の中前打、トップに返り五味の遊ゴロをファースト川上が落球、これを見た漆原が三塁に走ると白球を拾い上げた川上が三塁に送球するがこれが悪送球となる間に漆原が還って6-4と三度突き放す。6回表にダブルエラーを犯して2点を献上した漆原が川上のダブルエラーで1点を取り返した。
中山正嘉は7回に呉に右前打を許すが8回、9回を三者凡退で締めて、5回3分の2を3安打2四球1三振2失点、自責点ゼロに抑えて7勝目をあげる。このところ安定した投球を見せていた中尾輝三は2回に4連続四球と乱れた。
本日の勝利打点は五味芳夫に記録されたが真の殊勲者は2本のタイムリーで3打点をあげた濃人渉であった。
最下位金鯱はこの記念すべき勝利が今季14勝目であるが、ジャイアンツからは5勝目となる。満州リーグ緒戦は番狂わせから始まった。
*中山正嘉はロングリリーフで7勝目をマークする。
*記念すべき満州リーグ緒戦を伝えるスコアカード
*金鯱はジャイアンツ戦の対戦成績を5勝3敗とした。
0 件のコメント:
コメントを投稿