8月2日 (金) 新京 児玉公園球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 0 2 3 南海 17勝37敗3分 0.315 政野岩夫
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 ライオン 16勝39敗3分 0.291 近藤久
勝利投手 政野岩夫 6勝9敗
敗戦投手 近藤久 3勝12敗
二塁打 (南)上田 (ラ)近藤
勝利打点 なし
両投手が猛打賞
8月1日付け満州日日新聞が伝えるところによると、南海の清水秀雄は「明大在学時痛めていた左腕の肱が又痛み出して思うように投げられません」とのこと。南海は政野岩夫が先発、ライオンは近藤久で応戦する。南海はここまで16勝37敗3分、ライオンは16勝38敗3分で、熾烈な七位争いでもある。
8月3日付け満州日日新聞は「開催以来連日に亘って雨に祟られ通しの本社主催職業野球満州リーグは三日目の2日に入っても依然険悪の天候に禍いされこの日開催予定の新京シリーズ、南海対ライオン1回戦、阪急対セネタース1回戦の再試合は頗る前途を危ぶまれたが、主催者聯盟側の一致した“決行”の意思に定刻より遅るること53分にして第一試合を挙行、而もこの熱意にも拘らず恨みの雨は刻一刻烈しさを加えグラウンドコンディションは極めて不良となり第二試合は中止のやむなきに至った」と伝えている。ということで、午後4時53分、倉信雄主審の右手が上がりプレイボール。
南海は2回、先頭の吉川義次が中前打、木村勉も左前打を放って無死一二塁、ここで重盗を試みるがキャッチャー広田修三からの三塁送球に吉川はタッチアウト、岡村俊昭は三振、藤戸逸郎の遊ゴロをショート加地健三郎がお手玉して二死一二塁とするが上田良夫は三塁ライナーに倒れる。
ライオンは2回裏、先頭の鬼頭数雄が中前打、一死後広田が左前打を放つが加地は三振、前田諭治は遊ゴロに倒れる。
南海は3回、先頭の政野が中前打、トップに返り久々復帰の国久松一が右前打で続くが岩出清は三振、清水の三ゴロは「5C-3」と渡ってゲッツー。
ライオンは3回裏、先頭の近藤が中前打、トップに返り坪内道則の投前送りバントを政野が一塁に悪送球、村上重夫が三前に送りバントを決めて一死二三塁とするが戸川信夫の遊ゴロに三走近藤が飛び出して三本間でタッチアウト、鬼頭も二ゴロに倒れる。
ライオンは4回、先頭の玉腰年男の遊ゴロをファースト清水が落球、広田は四球で無死一二塁、加地に代わる代打として吉林丸船中の理事会で登録が承認された佐野忠澄がプロ入り初登場するが佐野の送りバントは政野が三塁に送球して玉腰は三封、前田は一邪飛に倒れて二死一二塁、近藤が中越えに2点タイムリー二塁打を放って2点を先制する。
南海は5回も2安打を放ちながら無得点に終わったが7回、二死後上田が中越えに二塁打、政野の遊ゴロをショート佐野が一塁に悪送球する間に上田が還って1-2とする。
南海は9回、先頭の山尾年加寿に代わる代打前田貞行が中前打で出塁、藤戸逸郎の三前送りバントで前田は二封、これは「5-6B」と記録されているので三ゴロ封殺ではなく送りバント失敗です。上田が左前打を放って一死一二塁、政野が起死回生の同点タイムリーを左前に放って2-2、トップに返り国久の遊ゴロをショート佐野がエラーする間に二走上田が決勝のホームを踏み南海が逆転勝ちして七位の座を守った。
政野岩夫は7安打3四球2三振の完投で6勝目をあげる。打っても起死回生の同点打を放つなど4打数3安打1打点の活躍であった。
一方、近藤久は9回を完投して11安打無四球5三振。こちらもチームの全得点を叩き出す二塁打を含めて4打数3安打2打点の活躍であった。
第二試合に予定されていた阪急vsセネタース戦は雨が激しくなったため中止となった。南海vsライオン戦は佐野忠澄のタイムリーエラーで決したが、グラウンドコンディションが頗る悪く、選手の健闘を称える記事は多く見られるが批判的な記事は見られない。
*政野岩夫が猛打賞を記録した南海打線。
*近藤久が猛打賞を記録したライオン打線。
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