8月11日 (日) 大連 満倶球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 1 3 0 0 1 6 阪急 35勝23敗4分 0.603 浅野勝三郎
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 金鯱 16勝42敗7分 0.276 内藤幸三 長尾貞利
勝利投手 浅野勝三郎 4勝4敗
敗戦投手 内藤幸三 2勝7敗
二塁打 (阪)浅野
三塁打 (金)室脇
勝利打点 フランク山田伝 5
浅野勝三郎、7安打完投で4勝目
8月10日は新京 児玉公園球場で予定されていたライオンvsイーグルス戦、ライオンvsセネタース戦が雨のため中止、大連と奉天は曇り空、大連の第二試合は6回から雨の中行われた。11日は大連、鞍山、新京で各2試合ずつ、満州リーグで初めて一日合計6試合が行われる。
阪急はここまで今季通算34勝23敗4分5割9分6厘で三位であるが名古屋が35勝24敗5分5割9分3厘で四位、タイガースが36勝25敗3分5割9分で五位とゲーム差無しの6厘差の中に三チームがひしめき合っている。因みに「ひしめき合っていななくは~♪」は「走れコウタロー」の一節となります。
阪急は初回、先頭の西村正夫が左前打から二盗に成功、二死後井野川利春の三ゴロをサード山川喜作が一塁に悪送球する間に西村が還って1点を先制する。
金鯱は3回、先頭の柴田多摩男が中前打、内藤幸三の三前送りバントをサード黒田健吾が二塁に送球するがセーフ、犠打野選となって無死一二塁、トップに返り五味芳夫が三前に送りバントを決めて一死二三塁、佐々木常助は二飛に倒れるが濃人渉が中前にタイムリーを放って1-1の同点に追い付く。
阪急は5回、先頭の田中幸男が四球で出塁、浅野勝三郎が送って一死二塁、パスボールで田中は三進、西村が四球から二盗を決めて一死二三塁、フランク山田伝の右犠飛で2-1と勝ち越す。
阪急は6回、先頭の井野川が四球で出塁、山下好一の投ゴロでランナーが入れ替わり、上田藤夫の右前打で一死一二塁、新富卯三郎の投ゴロで井野川が三封されて二死一二塁、田中の中前タイムリーで3-1、一走上田は三塁に進み打者走者の田中もバックホームの隙を衝いて二塁に進んで二死二三塁、浅野が右中間に二塁打を放ち5-1として試合を決める。
阪急は9回、先頭の西村のバントをピッチャー長尾貞利が一塁に悪送球、山田の右前打で一死一三塁、黒田の左犠飛で6-1としてダメを押す。
浅野勝三郎は7安打3四球1三振の完投で4勝目をあげる。打っても2打数1安打2打点1犠打1四球、二塁打1本の活躍であった。
昨日デビューを飾った金鯱のサード山川喜作は2試合連続スタメンに起用されて2試合連続タイムリーエラーを犯したが、本日は9回の第四打席で左前にプロ入り初安打を放った。戦後は巨人で水原茂と宇野光雄の間をつなぐ三塁手という位置付けとなり野球史的にも貴重な存在です。水原はシベリアに抑留されて帰還が遅れ、戦後の復活初年度から巨人のレギュラー三塁手は山川となります。47年に宇野が入団してレギュラーの座を奪われかけますが宇野が肩を痛めて離脱したためレギュラーの座をしぶとく守ります。宇野の肩が治って巨人に復帰すると追われるように広島に移籍しますが広島では球団史上初のサイクル安打を記録するなどの活躍を続けます。通算844安打を記録することとなる山川の初ヒットは満州の地で記録されました。
*浅野勝三郎は7安打完投で4勝目をあげる。
*山川喜作がプロ入り初ヒットを放った瞬間を伝えるスコアカード。
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