8月3日 (土) 大連 満倶球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 タイガース 33勝23敗3分 0.589 三輪八郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ジャイアンツ 40勝20敗 0.667 スタルヒン
勝利投手 三輪八郎 10勝2敗
敗戦投手 スタルヒン 19勝11敗
勝利打点 カイザー田中義雄 5
三輪八郎ノーヒットノーラン
タイガースは初回、先頭のジミー堀尾文人が中前打で出塁、しかし皆川定之の投ゴロは「1-6-3」と渡ってダブルプレー、松木謙治郎が中前打を放って出塁、本堂保次がセンター左へのヒットで続き二死一二塁、カイザー田中義雄がセンター右にタイムリーを放って1点を先制する。
タイガース打線は2回以降ジャイアンツ先発のスタルヒンに2安打に抑えられてゼロ行進が続いた。
タイガース先発の三輪八郎が快投を見せた。初回は白石敏男三邪飛、水原茂三ゴロ、千葉茂投ゴロで三者凡退と幸先の良いスタート。2回、先頭の川上哲治の二ゴロをセカンド宮崎剛がエラーする間に川上は二進、中島治康の投ゴロで一死二塁、平山菊二の一ゴロの間に川上は三進、呉波は一直でスリーアウトチェンジ。3回も先頭の吉原正喜の捕飛をキャッチャー田中が落球、スタルヒンを捕邪飛に打ち取るが吉原に二盗を決められ白石四球で一死一二塁、しかし水原を左飛、千葉を三ゴロに打ち取る。
4回、5回は三者凡退。6回、一死後水原に四球を与えるが千葉、川上を連続中飛に抑える。7回は二死後呉を四球で出すが牽制で釣り出し一二塁間でタッチアウト。8回も三者凡退に抑える。
9回、先頭の水原を右邪飛に打ち取るが千葉の三ゴロをサード本堂がエラー。川上に四球を与えて一死一二塁、しかし中島をピッチャーフライ、平山をセカンドフライに打ち取り無安打無得点を達成する。この日は伊賀上良平が欠場しておりサードには本堂保次が入って一瞬ひやりとさせられたが凌ぎきった。スミ一を守り抜く厳しい展開であったが、タイガースは澤村栄治に2度無安打無得点を喫してきた雪辱を果たした。
松木謙治郎著「タイガースの生い立ち」によると「長身から投げおろす速球と、大きくおちるドロップで各打者を凡打させ、強い当たりは2回、川上の二ゴロだけという好投だった。四球は4個あったが、投球数はわずか91球だった。」とのこと。川上の強い当たりの二ゴロはセカンド宮崎剛が大きく弾いて川上は二塁に進んでいる。公式記録員・広瀬謙三の判定は宮崎のエラーで、これが明暗を分けたことになる。翌日の満州日日新聞に寄せた広瀬謙三の選評には「速力球を本塁の内外角に配して稀有の好投を示し、投球数僅かに91後半に入るに従って巨人軍の予期するカーブと速球の裏をかいて直球を多くしてカーブを適時に配し巨人軍は2回川上の二ゴロが強い当りがあっただけで完全に三輪八郎に名をなさしめた。」と書かれている。
三輪八郎は91球で無安打4四球4三振無失点、10勝目をあげる。この日のスコアカードにはカウントは記録されていないが雑記欄に「投球数91」と書かれている。
*三輪八郎はジャイアンツ打線を無安打無得点に抑えた。
*「雑記」欄には「投球数91」と書かれている。
*三輪八郎に無安打無得点に抑えられたジャイアンツ打線。
*初回にカイザー田中義雄が決勝打を放ったタイガース打線。
0 件のコメント:
コメントを投稿