満州リーグは各チーム2回総当りで72試合が行われます。同一カードを2戦続ければ移動は半分で済むはずですが、松木謙治郎著「タイガースのおいたち」によると「同一カードの連戦はやらないためたえず移動したが、旅行はほとんど列車の三等寝台を利用し、着いた日に試合という強行日程がつづいた。」とのことです。
一つの球場で1日2試合を行い、第一試合の開始が午後4時、第二試合の終了は午後7時~8時となっています。現代の大連や新京(長春)の7月末の日の入り時刻は午後7時くらいです。昭和15年7月3日に行われた第二試合イーグルスvsライオン8回戦の終了はスコアカードには午後7時58分と記録されています。これは白夜の中で行われた訳ではなく、現代の日の入り時刻は中国時間で午後7時くらい、スコアカードに記録されている終了の7時58分は日本時間であると考えられます。現代の日本と中国の時差は1時間なのでこれだとギリギリ日没に間に合います。
満州日日新聞に書かれている終了時刻もスコアカードと同様午後7時58分となっていますので、当時の満州では日本時間が使われていたようです。第一試合の開始が午後4時(現・中国時間では午後3時)であれば夜行列車で朝着いて軽く練習して試合に臨むことができ、第二試合の終了が午後8時(現・中国時間では午後7時)くらいなら何とか深夜発の夜行列車には間に合いそうです。8月1日付け満州日日新聞には第二試合は「少し暗くなりかけた球場で追いかけるように開始」と書かれています。この日の第二試合の開始は午後6時17分(現・中国時間5時17分)でした。第二試合は薄暮の中で行われたようです。
大連、奉天、新京は緯度でいうと仙台~北上、函館、札幌に該当します。この間を毎晩のように三等列車で移動しながらダブルヘッダーを含めて転戦して行きます。
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