8月10日 (土) 奉天 満鉄球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 1 0 0 2 0 0 0 3 タイガース 36勝25敗3分 0.590 木下勇 三輪八郎
0 0 2 0 0 0 0 1 0 1X 4 金鯱 16勝41敗7分 0.281 古谷倉之助 中山正嘉
勝利投手 中山正嘉 9勝20敗
敗戦投手 木下勇 10勝9敗
勝利打点 なし
愚戦乱戦
翌日の満州日日新聞の見出しは「愚戦乱戦に終始」である。
金鯱は3回、一死後五味芳夫が四球で出塁、佐々木常助の三ゴロの間に五味は二進、濃人渉の遊ゴロをショート皆川定之が一塁に悪送球して二死一三塁、濃人が二盗を決めて二死二三塁、黒澤俊夫が左前に2点タイムリーを放って1-0とする。
タイガースは4回、先頭のカイザー田中義雄が中前打で出塁、松木謙治郎が右前打を放って無死一二塁、宮崎剛の投ゴロで田中は三封、山根実二代わる代打森国五郎は三振に倒れて二死一二塁、木下勇が左前にタイムリーを放って「1-2」とする。
タイガースは7回、一死後皆川が中前打、本堂保次の遊ゴロでランナーが入れ替わり、本堂が二盗を決めて二死二塁、伊賀上良平が四球を選んで二死一二塁、ここで重盗を成功させて二死二三塁、田中の三ゴロをサード山川喜作がエラーする間に二者還って3-2と逆転に成功する。
金鯱は8回、先頭の濃人の左飛をレフト中田金一が落球する間に濃人は二塁に進み、黒澤俊夫の二ゴロの間に三進、森田実は二飛に倒れるが室脇正信脇がセンター左にタイムリーを放って3-3と同点に追い付く。
金鯱は9回から先発の古谷倉之助に代えて第一試合と連投となる中山正嘉をマウンドに送る。中山はタイガース打線を9回、10回と三者凡退に抑える。
金鯱は10回裏、先頭の佐々木がピッチャー強襲ヒット、濃人の投前送りバントをピッチャー木下勇がエラーして無死一二塁、タイガースべんちはここで先発の木下から三輪八郎にスイッチ、黒澤の三ゴロは「5-4-3」と転送されるがセカンド宮崎からの一塁送球が悪送球となる間に二走佐々木がホームを駆け抜けて金鯱がサヨナラ勝利を飾る。
得点経過からは接戦であるが得点の大半がエラー絡みで敗戦投手の木下勇は9回3分の0を投げて7安打1四球3三振4失点で自責点ゼロ、金鯱先発の古谷倉之助は8イニングを投げて9安打4四球4三振3失点で自責点は1であった。翌日の満州日日新聞は「愚戦乱戦の域を出ない物足りなさを強く感じる」と伝えている。タイガースは7失策、金鯱は4失策を記録した。
中山正嘉は第一試合の完投に続いて第二試合も連投で登板して2イニングを無安打無四球1三振無失点のパーフェクトリリーフを見せて9勝目をマークする。既に昨年の21敗に続く2年連続20敗は達成しているが昨年の25勝に続く2年連続二桁勝利にあと1勝となった。
*両チーム合計で得点7のうち自責点は1点であった。
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