8月8日 (木) 奉天 満鉄球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ライオン 16勝41敗3分 0.281 井筒研一 福士勇
0 0 0 0 0 5 0 0 X 5 タイガース 36勝23敗3分 0.610 藤村隆男
勝利投手 藤村隆男 1勝2敗
敗戦投手 福士勇 6勝13敗
二塁打 (タ)本堂
勝利打点 森国五郎 2
藤村隆男、1安打完封
ライオンの先発は4月9日のセネタース戦以来プロ入り2度目の先発となる井筒研一、タイガースはこれがプロ入り5度目の先発となる藤村隆男。
タイガースは初回、先頭のジミー堀尾文人が四球で出塁するが無得点。2回、先頭の松木謙治郎が三塁内野安打で出塁するとライオンベンチは早くも井筒を下げて福士勇をマウンドに送る。福士は宮崎剛を二ゴロ、土井垣武を中飛に抑え、好調森国五郎に左前打を許すが藤村を二ゴロに打ち取る。
タイガースは6回、先頭の松木謙治郎が左翼線にヒット、宮崎剛の送りバントが内野安打となり、土井垣に代わる代打カイザー田中義雄の投前送りバントをピッチャー福士がエラーして無死満塁、森が投前にスクイズを決めて1点を先制、藤村は三振に倒れるが、トップに返り堀尾が中前に2点タイムリーを放って3-0、皆川定之の三ゴロをサード鬼頭政一が失して二死一三塁、本堂が左中間に二塁打を放って二者を迎え入れ5-0とリードを広げる。
藤村隆男は2回に井筒に中前打を許してからはライオン打線を無安打に抑えて1安打4四球3三振の完封でプロ入り初勝利を飾る。戦後まで投げ続けて通算135勝をマークすることとなる藤村隆男の初勝利は1安打完封であった。
森国五郎のスクイズが決勝点となり森には勝利打点が記録された。森は満州リーグでは絶好調で、1日の金鯱戦では4打数4安打、6日の南海戦でも勝利打点を記録しており現在満州リーグ勝利打点王である。
タイガースは5回まで無得点であったが6回裏に猛虎打線が爆発して5得点をあげた。この試合展開は昭和50年夏の甲子園決勝、銚子商業vs防府商業戦と同じである。0対0のまま迎えた6回裏、銚子商業は黒潮打線を爆発させて一挙6点を奪って試合を決めた。銚子商業土屋、防府商業井神の投げ合いで始まった決勝戦は5回まで0対0。6回表、防府商業は無死二塁のチャンスを迎えるが銚子商業土屋-太田のバッテリーがスリーバントを見破り三振ゲッツーで切り抜ける。その裏、ここまで井神の前に1安打無得点に抑え込まれてきた銚子商業は先頭の加藤が遊失に生き、トップに返り宮内主将が送りバント、九番を打つことが多かったが3回戦と準々決勝で3安打ずつを放って準決勝から二番に上がっている若海は二ゴロ、しかし五番から三番に上がった2年生の前嶋が中前に先制タイムリー、2年生の不動の四番篠塚も中前打、土屋四球から太田が中前打を放って井神をKO、筒井が二塁打、三番から八番に下がった池永も意地の中前タイムリーを放ち一挙6点をあげて優勝を決めた。木樽、阿天坊を擁しながら決勝戦で三池工業に敗れて準優勝に終わってから9年、斎藤監督悲願の全国制覇を成し遂げた瞬間であった。真紅の大優勝旗は、開会式で選手宣誓を行った銚子商業宮内主将の手に渡されたのであった。
*藤村隆男は1安打完封でプロ入り初勝利を飾る。
*昭和50年夏の甲子園を制覇した銚子商業優勝メンバーによるサイン色紙。
*銚子商業が優勝した当時は全国のデパート等で写真パネル点が開催されました。
*この時のベースボールマガジン社が作成した写真パネル全52枚は何故か当ブログが所有しています。サイン色紙は2度目の公開となりますがパネル写真は本邦初公開となります。いずれ全52枚を公開します。
*故・斎藤一之監督の胴上げシーン。
*斎藤監督も若い!
*準々決勝の平安戦で登板した控えの筒井投手。決勝戦では七番ライトで出場して貴重なタイムリーを放ちました。エース土屋が肘に不安を抱えていただけに頼もしい存在でした。実力的には千葉県では土屋に次ぐNo2でした。土屋がいなくても筒井をエースとして全国優勝していたと考えられます。
*平安戦でホームランを放った2年生の篠塚。
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