2013年1月3日木曜日

15年 ジャイアンツvs名古屋 8回戦 満州リーグ


8月1日 (木) 大連 満倶球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 1  1 ジャイアンツ 40勝19敗 0.678 スタルヒン
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 名古屋         30勝23敗4分 0.566 松尾幸造

勝利投手 スタルヒン 19勝10敗
敗戦投手 松尾幸造     8勝9敗

勝利打点 中島治康 6


スタルヒン無四球完封

 ダブルヘッダーとなるジャイアンツは入国審査に手間取ったため大連に残っていたスタルヒンが先発、名古屋は松尾幸造が先発する。

 名古屋は初回、二死後大沢清が右前打を放つが吉田猪佐喜は二ゴロに倒れる。

 名古屋は3回、二死後石田政良が中前打を放つが村瀬一三は二ゴロに倒れる。名古屋は4回以降スタルヒンにパーフェクトに抑えられて一人の走者も出せなかった。

 ジャイアンツは初回、先頭の白石敏男が左前打、水原茂が中前打を放って無死一二塁、しかし千葉茂の送りバントはキャッチャー三浦敏一がダッシュ良く飛び出して白石を三塁に封殺し一死一二塁、川上哲治は左飛、中島治康はショートライナーに倒れて先制のチャンスを潰す。

 ジャイアンツは2回、先頭の平山菊二が四球で出塁、吉原正喜の遊ゴロでランナーが入れ替わり、スタルヒンの右飛にスタートを切っていた吉原が戻れず「9-3」と渡ってダブルプレー。

 ジャイアンツは3回~5回まで三者凡退。6回二死後水原が四球で出塁するが千葉は遊ゴロに倒れる。7回、8回は三者凡退。

 ジャイアンツ9回の攻撃は一番から始まるが白石、水原は連続三ゴロ、千葉が粘って四球を選び二死一塁、川上の左前打で二死一三塁、翌日の満州日日新聞によると「川上とヒット・エンド・ランを試みれば球は切れて遊撃後方のテキサスとなって二塁カバーに入った村瀬に逆となって及ばず」とのこと。ここで中島がセンター右にタイムリーを放って均衡を破る。翌日の満州日日新聞によると「名軍ベンチから歩かせてもよいとの注意の声がまだ終わらぬうち松尾第一球を無造作に投ずれば中島すかさず右中間に安打」とのこと。読売新聞の論評も満州日日新聞の論評も広瀬謙三の署名記事となっており、広瀬謙三は律儀にも読売新聞と満州日日新聞に別々の原稿を送っている。

 両軍無失策の引き締まったゲームであった。


 スタルヒンは2安打無四球8三振で今季8度目の完封、19勝目をあげる。スタルヒンの勝利は7月9日以来のこととなる。


 川上哲治はこの日4打数1安打、満州リーグ通算12打数4安打、夏季シリーズは103打数36安打で3割5分、今季通算220打数72安打で3割2分7厘となった。鬼頭数雄は夏季シリーズ3割5分5厘、今季通算3割5分2厘で川上を抑えている。







             *スタルヒンは無四球完封で19勝目をあげる。











     *中島治康が決勝タイムリーを放ったジャイアンツ打線。













     *スタルヒンに2安打に抑え込まれた名古屋打線。









 

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