2013年1月29日火曜日

15年 セネタースvs名古屋 9回戦 満州リーグ


8月11日 (日) 新京 児玉公園球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 セネタース 36勝19敗8分 0.655 野口二郎 三富恒雄 村松長太郎
2 1 0 0 0 0 0 2 X 5 名古屋      36勝24敗5分 0.600 西沢道夫
 
勝利投手 西沢道夫 12勝5敗
敗戦投手 野口二郎 23勝7敗

二塁打 (セ)苅田 (名)西沢、大沢

勝利打点 吉田猪佐喜 8


吉田猪佐喜、先制の決勝タイムリー

 セネタースは初回、先頭の苅田久徳が左中間に二塁打、横沢七郎が四球を選んで無死一二塁、野口二郎が送りバントを決めて一死二三塁、続く小林茂太の打席で三走苅田は「1-4-2-5」でタッチアウト。これはセネタースお得意のトリックプレーが失敗したものでしょう。すなわち、二走横沢が飛び出してピッチャー西沢道夫が二塁に牽制する隙に三走苅田がホームを突くがセカンドのベテラン中村三郎が冷静にキャッチャー三浦敏一に送球して苅田を三本間に挟みサード芳賀直一が苅田にタッチしたものでしょう。苅田としては新京のファンに得意のプレーを披露したかったのでしょうが。小林は左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋は1回裏、先頭の石田政良が左前打で出塁、石田が二盗を決めて村瀬一三が四球を選んでこちらも無死一二塁、しかしここからが違った。大沢清の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、吉田猪佐喜が左前に先制の2点タイムリーを放って2-0とする。これが決勝打となった。

 セネタースは2回、一死後山崎文一が右前打、柳鶴震の三ゴロでランナーが入れ替わり、佐藤武夫の三ゴロをサード芳賀直一がエラー、織辺由三が左翼線にタイムリーを放って1-2とする。
 セネタースは2回裏、一死後芳賀が左前打で出塁、西沢道夫が左越えにタイムリー二塁打を放って3-1とする。


 セネタースは3回から不調の野口二郎に代えて三富恒雄をマウンドに送るがこれが成功して三富は3回から6回の4イニングを1安打2四球1三振で無失点に抑える。

 セネタースは7回の攻撃で三富に代打を送った関係で8回から三番手として村松長太郎がマウンドに上がる。これで流れが再び変わってしまった。

 名古屋は8回、先頭の吉田の遊ゴロをショート柳がエラー、桝嘉一の投前送りバントを村松が一塁に悪送球、犠打エラーとなって無死一二塁、中村が左翼線にタイムリーを放って4-1、三浦の送りバントは二走桝が三封されて一死一二塁、服部受弘が左前にタイムリーを放って5-1として試合を決める。

 西沢道夫は6安打6四球4三振の完投で12勝目をあげる。肩を痛めている野口二郎は満州リーグに専属トレーナーとして小守トレーナーを同行させているが肩の調子は相当悪そうだ。
 名古屋は7安打で5得点をあげるがセネタースは6安打で1得点、試合巧者セネタースとしては珍しい負け方であった。










*西沢道夫は6安打完投で12勝目をあげる。













     *吉田猪佐喜が先制の決勝タイムリーを放って快勝した名古屋打線。











 

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