2011年5月6日金曜日

13年秋 セネタースvsジャイアンツ 3回戦

10月18日 (火) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 1 0 0 0 0 0   1 セネタース   11勝13敗1分 0.458 遠藤忠二郎 塩田猪年男
4 1 1 2 1 1 0 0 X  10 ジャイアンツ  17勝4敗1分  0.810 水原茂 楠安夫


勝利投手 水原茂         5勝1敗
敗戦投手 遠藤忠二郎 0勝2敗


二塁打 (ジ)中島、三原2
三塁打 (ジ)水原
本塁打 (ジ)水原 2号、伊藤 2号、中島 5号


中島治康、2試合連続4安打


 前日5打数4安打の中島治康は89打数28安打、打率3割1分5厘とその前の2割8分6厘から3割台に復帰。ちょうど半分の20試合目となった10月11日名古屋3回戦の第三打席時点では82打数23安打、2割8分0厘まで下がったところで底打ち反転してきた。


 ジャイアンツは初回、先頭の三原脩がツースリーから四球を選んで出塁、白石敏男の二ゴロで三原は二進、初めてスタメン三番に入った川上哲治がツースリーから中前打を放って一死一三塁、中島治康がツーボールからの3球目を右中間に二塁打、ライト森口次郎からの返球を中継に入ったファースト佐藤武夫がエラーする間に一走川上も生還して2点を先制。中島の打点は1である。続く伊藤健太郎が中前にタイムリーを放って3-0、2試合連続ノーヒットのためか六番に下げられた千葉茂は右飛に倒れるが水原茂がツーナッシングからの3球目を右中間に三塁打、4-0とする。

 ジャイアンツは2回、一死後三原が右中間に二塁打、セネタースは先発の遠藤忠二郎から塩田猪年男にスイッチ。白石の右前打で一死一三塁、川上は浅い左飛に倒れるが中島がツーボールナッシングからの3球目を左前に二打席連続のタイムリー、5-0とする。更に3回、一死後水原がレフトスタンドに第2号ホームランを叩き込んで6-0とする。

 3回までジャイアンツ先発の水原にパーフェクトに抑えられていたセネタースは4回、先頭の苅田久徳が四球で出塁、森口次郎の二ゴロで二進、尾茂田叶の遊ゴロをショート白石が失して一死一三塁、遠藤に代わって四番に入ることとなった二番手ピッチャー塩田が左前にタイムリーを放って1-6とする。本日のセネタースのヒットはこの1本のみ、遠藤が続投していたら塩田のヒットは当然出ていない訳で水原にノーヒットノーランを喰らっていたかもしれない。

 ジャイアンツは4回裏、中島が初球を中前に三打席連続ヒット、伊藤がライトスタンドにツーランホームランを放って8-1。5回には四球の水原を一塁に置いて三原がタイムリー二塁打を放って9-1。6回には一死後中島が1球目ファウルからの2球目を4安打目となる左翼ホームラン、10-1とする。中島は3試合連続ホームランとなり、バッキー・ハリスが2シーズンに渡って記録した3試合連続本塁打に並んだ。

 水原は8回まで1安打2四球3三振の好投を見せて降板、9回から9月17日に登録された新入団の楠安夫がプロ入り初登板して1失策のみの無失点に抑える。

 中島治康は4打数4安打3得点3打点1本塁打で今季通算93打数32安打、打率を3割4分4厘に上げてきた。中島のライバル、現在首位打者の佐藤武夫はこの日4打数無安打、打率を3割6分1厘に落としたが辛うじて首位打者をキープしている。中島は本塁打は単独トップ、本日の3打点で打点を20としてトップのジミー堀尾文人と並んだ。


 中島の三冠王が意識されるとしたらこの試合からと言うことになるが、中島の三冠が発見されたのは戦後になってからであり、当時は全く意識されていなかった。この点、翌日の読売新聞の宇野庄治記者の論評にも「前日4安打を放った巨人軍中島はこの日も4安打十割の健棒ぶりを発揮して春季に引続き首位打者の有力候補として今後に興味が持たれる。」とあるだけで三冠は意識されていない。



*中島の2試合連続四安打を伝えるスコアブック。川上が初めて三番に座った試合でもある。



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