2011年5月15日日曜日

13年秋 ライオンvsジャイアンツ 3回戦

10月26日 (水) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 1 0 2 4 ライオン     13勝14敗    0.481 菊矢吉男
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ジャイアンツ 20勝6敗1分 0.769 スタルヒン


勝利投手 菊矢吉男     6勝7敗
敗戦投手 スタルヒン 12勝2敗


菊矢吉男、一世一代の快投


 三試合連続サヨナラ負けのライオンはエース菊矢吉男が先発、前日名古屋・松尾幸造にしてやられたジャイアンツは満を持してスタルヒン先発で必勝態勢。

 立ち上がりからボールが先行するスタルヒンは3回までに5四球を与え、4回で投球数は既に68球を数えた。

 ライオンは5回、一死後酒沢政夫が中前打で出塁、トップに返り坪内道則の遊ゴロは6-4-3と渡るがセカンド三原脩からの一塁送球が悪送球となって坪内は二塁に進む。続く水谷則一の遊ゴロを今度はショート白石敏男が一塁に悪送球する間に坪内が還って1点を先制する。

 ライオンは7回、この回先頭の山本尚敏がショートへの内野安打で出塁、福士勇の投ゴロで山本は二進、酒沢が右前にタイムリーを放って2-0とする。


 菊矢吉男は6回までジャイアンツ打線を2安打2四球4三振無得点に抑える。

 ジャイアンツは7回、この回先頭の伊藤健太郎がストレートの四球を選んで出塁、続く川上哲治もワンスリーから四球を選んで無死一二塁、続く三原のカウントもノースリー、見逃しストライクでワンスリー、ここで三原がバントを失敗してツースリーから右飛に倒れて一死一二塁、吉原正喜の三ゴロで川上が二封されて二死一三塁、スタルヒンのカウントツーストライクナッシングとなったところでダブルスチールを敢行するがキャッチャー福士からの送球をカットしたセカンド山本がホームに返球して伊藤はタッチアウト、重盗失敗でスリーアウトチェンジ。

 ライオンは9回、この回先頭の山本が四球で出塁、福士の右前打で無死一三塁、酒沢は三振に倒れるが坪内が右前にタイムリーを放って3-0、水谷も右前タイムリーで続いて4-0として勝負を決める。

 菊矢吉男は8回、9回を抑え切り、結局2安打5四球5三振、106球の快投を見せて完封で6勝目をあげる。コントロールに苦しんだスタルヒンは8安打7四球5三振、153球の投球であった。


 菊矢吉男は大阪府立八尾中学出身、1年先輩に現在兵役のため戦列を離れている金鯱の黒澤俊夫がいる。昭和11年にタイガースに入ってからは打撃投手として、打倒澤村の打撃練習でプレート1メートル前から剛球を投げ込んで猛虎打線の基礎造りに貢献した。ライオン移籍後芽が出て本日一世一代のピッチングを見せる。戦後は大阪府立富田林高校の野球部監督として同校を初の甲子園出場に導くこととなる。



 

          *菊矢吉男の快投を伝えるスコアブック








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