１３年秋 イーグルスvs南海 ４回戦

10月17日 （月） 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 イーグルス ９勝９敗３分   0.500 中河美芳
0 0 3 0 0 0 0 0 X  3 南海           ７勝１６敗２分 0.304 政野岩夫


勝利投手 政野岩夫 ３勝３敗
敗戦投手 中河美芳 ４勝２敗


二塁打　（イ）太田　（南）上田


政野岩夫、南海球団史上初の完封勝利


　1回、2回と三者凡退に終わった南海は3回、この回先頭の中田道信の投ゴロをピッチャー中河美芳が一塁に悪送球して無死二塁、政野岩夫の投前送りバントを中河が三塁に投げるがセーフ、野選となって無死一三塁、上田良夫は三振に倒れて一死一三塁、トップに返り小林悟楼のピッチャー強襲ヒットで1点を先制する。海蔵寺弘司の右前打で一死満塁、西端利郎の三ゴロをサード亀田忠は間に合ったホームに投げず一塁に送球する間に三走政野が還って2-0、中村金次四球で二死満塁、中野正雄の右前打で1点追加して3-0、二走海蔵寺もホームを突くがライト中根之からのバックホームにタッチアウト。

　中河は4回から6回をパーフェクトピッチング、7回、8回にヒット1本ずつを許すが無失点に抑えて8回を5安打3四球5三振で完投する。イーグルス投手陣（と言ってもほとんど中河と亀田ですが）は9月23日の中河以来これで12試合連続完投を続けている。この間6勝5敗1引分け、中河が3勝2敗1分、亀田が2勝3敗、望月潤一が1勝0敗である。

　政野岩夫はイーグルス打線を散発の3安打に抑え6四球7三振の完封で今季3勝目をあげる。政野のピッチングを翌日の読売新聞は「南海政野の下手からの軟投は整球悪くさして威力ありとも見えなかったがイ軍打者の選球拙く低目へ流れるボールに手を出しては凡打を重ね、得たる四球6に対して僅かに3安打を散発したに過ぎず零敗に甘んじた。」と伝えている。現在であれば下手からのシンカーを駆使した好投と褒められてしかるべきかもしれない。


　ともあれ南海球団史上初の完封勝利となった。鈴木芳太郎による球団史上初ホームランの時は南海球団史上最多本塁打が野村であることはすぐに分かることであったが、南海球団史上最多完封記録を持つ投手は誰でしょうか。真っ先に思いついたのが別所毅彦でした。在籍期間は短いものの別所在籍時であれば完封も多かった時代ではないかと考えた訳です。思いつくままに個別に調べる以外に方法が分かりませんので、こういう時に役に立つWikipediaで調べてところ、別所の南海（グレートリングを含む）時代は23回完封勝利を記録しています。当然杉浦忠も候補になりますが杉浦は18回、血行障害がなければ倍以上いっていたでしょう。柚木進が15回、シベリア抑留が無ければ南海球団史上最高投手の可能性が高い。山内新一が18回、こちらは野村再生工場のおかげで巨人時代は0回、阪神移籍後も0回です。宅和本司は流石に9回ですが、これは最初の2年間で50勝した間に記録したものです。

　ダイエー、ソフトバンク時代まで伸ばしてみても山内孝徳が14回、山内和宏は9回、現役まで伸ばしても斎藤は8回、杉内は14回、和田は6回（現役は昨年までの数字です）なので多分別所ではないかと思われます。杉内が更新する可能性があるかもしれませんが。和田はメジャーに行くかもしれませんが杉内は行かないのではないでしょうか。数字は全てWikipediaを参考とさせていただいておりますのでご了承ください。



　　　　　＊政野岩夫による南海球団史上初の完封勝利を伝えるスコアブック