パンダのぬいぐるみを被ったパブロ・サンドバルのファンは、サンドバルの第四打席を4本指を示して迎えました。第一打席はジャスティン・バーランダーから真ん中高目ボール気味のストレートをバックスクリーンの右にソロ・ホームラン、第二打席もバーランダーから外角ストレートを左翼スタンドにツーランホームラン、第三打席はアル・アルバカーキから低目のボールの縦スラをバックスクリーンに三打席連続ホームラン。期待の第四打席は中前打に終わりました。1試合3ホームランは1926年第四戦のベーブ・ルース、1928年第四戦のベーブ・ルース、1977年第六戦のレジー・ジャクソン、昨年第三戦のアルバート・プホルスに次いで4人目、5回目となります。
サンフランシスコのファンがパンダの被り物で観戦している理由は、人気者のパブロ・サンドバルのニックネームが「カンフー・パンダ」だからです。2008年に公開されたアメリカアニメ映画の主人公をサンドバルのニックネームに名付けたのは本日先発のバリー・ジトです。
そのジトのピッチングが怪しくなってきてブルペンに向かうティム・リンスカムに大声援が沸き起こりました。リンスカムに人気があるというより、2008年、2009年連続サイ・ヤング賞の右椀が今年は不振でポストシーズンはリリーフに回っていながら力投を続けていることに対する声援です。ジトをリリーフしたリンスカムは7人の打者に対して5三振を奪って声援に応えました。
本日の先発は2002年サイ・ヤング賞のバリー・ジトと2011年サイ・ヤング賞のジャスティン・バーランダーの対決となりました。ワールド・シリーズ初戦の先発投手がサイ・ヤング賞投手同士というのは1955年のドン・ニューカムvsホワイティ・フォードが初めてとなります。但しニューカムの受賞は1956年の第1回、フォードの受賞は1961年なので、既にサイ・ヤング賞を受賞している投手同士がワールドシリーズ第一戦に先発したのは1995年のオーレル・ハーシハイザーvsグレッグ・マダックスが最初となります。1963年のサンディ・コーファックス(1961年に既に受賞しているホワイティ・フォードと対決)、1968年のデニー・マクレインとボブ・ギブソン、1969年のマイク・クエイヤーとトム・シーバーもワールドシリーズ第一戦に先発していますが同年にサイ・ヤング賞を受賞していますので現在のようにワールドシリーズ終了後にサイ・ヤング賞が発表されていたのであればワールドシリーズ第一戦時点ではまだ未受賞ということになります。
本日のサンフランシスコ・ジャイアンツはバリー・ジトからティム・リンスカムにリレーしました。ワールド・シリーズにおけるサイ・ヤング賞受賞投手同士の継投は1972年~1974年のオークランド・アスレチックスでもバイダ・ブルーからロリー・フィンガース、キャットフィッシュ・ハンターからロリー・フィンガースというリレーが見られました。但しロリー・フィンガースの受賞は1981年なのでこの時点ではサイ・ヤング賞受賞投手同士の継投とはなりません。1990年代のアトランタ・ブレーブスにはトム・グラビン、グレッグ・マダックス、ジョン・スモルツと3人のサイ・ヤング賞投手が出現しましたが、ジョン・スモルツがまだ先発していましたのでワールド・シリーズにおけるサイ・ヤング賞受賞投手同士の継投は実現しませんでした。
当ブログにおける「2度あることは」シリーズは2012年7月14日付け「2度あることはサンドピアリス」以来2度目のこととなります。果たして2度あることは3度目が来るのでしょうか(笑)。
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