１５年 セネタースvsタイガース ５回戦

6月1日 （土） 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 0 1 2 セネタース １９勝１１敗３分 0.633 金子裕 野口二郎
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 タイガース １８勝１４敗１分 0.563 三輪八郎 木下勇

勝利投手 野口二郎 １１勝４敗
敗戦投手 木下勇 　　 ７勝６敗

三塁打　（セ）村松

勝利打点　横沢七郎　３


野口二郎、快リリーフ

　夏季シリーズ初戦はセネタースが4月21日以来の登板、4月10日以来の先発となる金子裕が先発、タイガースは左のエースに成長した三輪八郎が先発する。

　タイガースは初回、先頭の宮崎剛が三塁に内野安打、皆川定之が三前に送りバントを決めて一死二塁、本堂保次の二ゴロで宮崎は三進、松木謙治郎が中前にタイムリーを放って1点を先制する。更にカイザー田中義雄も右前打で続くがジミー堀尾文人が三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

　セネタースは2回から早くも金子を下げて野口二郎をリリーフに送る。

　セネタースは3回、先頭の村松長太郎が左中間に三塁打、小林茂太が左前にタイムリーを放って1-1の同点に追い付く。

　セネタースは4回、一死後佐藤武夫、石井豊が連続四球、タイガースベンチはここで先発の三輪から木下勇にスイッチ、横沢七郎が中前打を放って一死満塁、トップに返り苅田久徳の左飛で二走石井がタッチアップから三塁を突くがレフト中田金一からの送球にタッチアウト。ここは石井の凡走だったようだ。

　タイガース二番手の木下は5回～8回までセネタース打線を2安打無失点に抑える。

　セネタースは9回、先頭の織辺由三が四球で出塁、佐藤が投前に送りバントを決めて一死二塁、石井の代打浅岡三郎は三飛に倒れて二死二塁、ここで横沢が右前に決勝タイムリーを放ち2-1と勝ち越す。


　2回からリリーフで登板した野口二郎は8イニングを1安打無四球1死球8三振無失点に抑えて11勝目をあげる。野口は自伝「私の昭和激動の日々」に「1安打試合というのを9試合やっている」と書いている。当ブログではこれまで5度の1安打試合をお伝えしてきている。昭和14年4月14日のイーグルス戦で1安打完封、同年10月21日の金鯱戦で1安打完封、昭和15年5月3日の金鯱戦で1安打完封、同月6日の名古屋戦で延長11回1安打15奪三振で0対0の引分け、同月27日のジャイアンツ戦で1安打完封。本日は2回からのリリーフなので1安打ピッチングにはカウントしていないでしょう。先発していたら1安打完封の可能性が高かったのではないか。5月6日の引分け試合をカウントしているかどうかは不明。











＊野口二郎は2回からリリーフ登板して8イニングを1安打無四球1死球8三振無失点に抑えた。