2011年1月9日日曜日

13年春 タイガースvsライオン 2回戦

6月4日 (土) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 2 0 0 3 3 10 タイガース 13勝2敗  0.867 御園生崇男
0 0 0 0 0 0 1 0 0  1  ライオン    5勝12敗 0.294 大友一明 近藤久


勝利投手 御園生崇男 6勝0敗
敗戦投手 大友一明   0勝1敗


三塁打 (タ)藤村 (ラ)桜井
本塁打 (タ)景浦 3号 


御園生崇男、通算十七連勝


 タイガースは初回、山口政信、本堂保次が連続四球、松木謙治郎の二ゴロでそれぞれ進塁して一死二三塁、大友一明のワイルドピッチで山口が還り1点を先制、景浦将が中前にタイムリーを放って1安打で2得点をあげる。更に5回、この回先頭の山口が三塁への内野安打、本堂の三ゴロをファースト桜井七之助がエラー、山口は三盗に失敗するが(この際本堂も二塁に進んでいるが盗塁は記録されていない)本堂がパスボールで三塁に進み、松木が四球から二盗を決めて一死二三塁、景浦の遊ゴロをショート中野隆雄がエラーして本堂に続いて二走松木も還ってこの回も1安打で2得点をあげて4-0とする。景浦には1打点が記録されている。

 ライオンは6回から先発の大友をセカンドに入れてセカンド藤浪光雄に代えて近藤久が入りピッチャー。ライオンは7回、桜井が中越えに三塁打を放ち、煤孫伝の中犠飛で還って1点を返すが反撃はここまで。

 タイガースは8回、一死後伊賀上良平四球、藤村富美男の遊ゴロを又も中野がエラー、二死後カイザー田中義雄が右前にタイムリー、岡田宗芳が左前にタイムリー、トップに返り山口が中前にタイムリーと三連続タイムリーで3点追加して7-1とする。

 タイガースは9回、一死後景浦が近藤からだだっ広い甲子園のライトスタンドにホームランを叩き込んで8-1、二死後藤村が左中間に三塁打、御園生の三塁内野安打で藤村が還り9-1、田中四球後、岡田が中前にタイムリーを放って10-1とする。

 御園生崇男は3安打3四球5三振の完投で今季6勝目、昨年から通算17連勝を記録する。

  景浦将に関しては残されている代表的写真のイメージからプルヒッターと思われている方も多いかもしれませんが、スコアブックに残されている記録からは単なるプルヒッターとは考えられません。昭和12年10月10日のセネタース戦で伊藤次郎から放った右中間最深部へのライナーのホームラン、同年10月20日には左右に打ち分けて5打数5安打、本日は恐らく近藤の外角シュートを引き付けるだけ引き付けて振り切ったものでしょう。後の中西、落合、清原につながる右にも大きなものを打てる打法の元祖である可能性が高い。前述の代表的写真ですが、よく見るとホームベースから少し離れており、キャッチャーがそっぽを向いているところから見ると、打席に入る前の素振りを撮影したものである可能性が高いと思います。


*本日近藤久から放った甲子園ライトスタンドへのホームラン



*昭和12年10月10日の特大段。打球の位置を示すマークが△になっていますのでライナーで飛び込んだことを表します。





*昭和12年10月20日の5打数5安打(再掲)




 本文中の代表的写真は、松木謙治郎著「タイガースのおいたち」の扉絵に掲載されている他、いたるところに使われていますが、肖像権に抵触する恐れがありますのでアップは控えます。ベースボールカードにもよく使われている写真ですが、ホームベースからの位置とキャッチャーがそっぽを向いているところが確認できる写真を見てください。



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