2011年1月8日土曜日

13年春 阪急vs金鯱 3回戦

6月4日 (土) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 0 0 0 2 4 阪急 9勝7敗   0.563 森弘太郎 高橋敏
0 0 2 2 0 0 0 1 X 5 金鯱 6勝10敗 0.375 中山正嘉 古谷倉之助 中山正嘉


勝利投手 中山正嘉 3勝3敗
敗戦投手 森弘太郎 2勝1敗
セーブ   中山正嘉 1

 二塁打 (セ)五味


中山正嘉、勝利投手とセーブ


 阪急は2回、この回先頭の山下好一の投飛をピッチャー中山正嘉がエラー、続くフランク山田伝の三前送りバントをサード五味芳夫が悪送球して犠打エラーが記録されて無死一二塁、しかし宇野錦次の二ゴロが4-6-3と渡るダブルプレーとなり一瞬にしてチャンスは潰えたかに見えた。ところが島本義文四球で二死一三塁、森弘太郎が右前にタイムリーを放って1点を先制、トップに返り西村正夫が四球でつなぎ上田藤夫が押出し四球を選んで2-0とする。

 金鯱は3回、この回先頭の中山が左前打とレフト山下好一のエラーで無死二塁、中山は初回に山下好一のピッチャーフライを落球し、相手ピッチャーの森弘太郎に先制タイムリーを打たれたが、一打席で二人に借りを返すこととなった。続く武笠茂男四球で一二塁、佐々木常助の投ゴロで中山は三封、こちらも初回に手痛い悪送球をやらかした五味が右翼線にタイムリー二塁打を放ち1-2としてなお一死二三塁、江口行男の三ゴロで三走佐々木がホームを突きサード黒田健吾がバックホームするが間に合わず野選となって2-2の同点とする。

 金鯱は4回、四番小林茂太中飛、五番古谷倉之助右飛で二死無走者、しかし続く松元三彦が四球を選んで出塁、松元はピッチャー森の牽制に釣り出されるがファースト山下実監督が二塁に悪送球して二死二塁、森弘太郎はこれにキレたか続く中山、武笠を立て続けに歩かせ二死満塁、佐々木の二ゴロをセカンド宇野がエラーして三走松元に続いて二走中山までホームに還り4-2と逆転してなお二死一三塁。森はここで降板し、ルーキー高橋敏がプロ入り初登板。佐々木が二盗を決めてルーキーを揺さぶるが五味は左飛に倒れてチェンジ。

 初登板の高橋は5~7回を無安打に抑えるなかなかのデビュー。金鯱は8回、二死から古谷倉之助が四球で出塁、続く松元の左中間へのシングルヒットで古谷が一塁から生還して5-2とする。恐らくエンドランかツースリーから古谷がスタートをきっていたかであろう。この1点が貴重な追加点となった。

 中山は3~8回まで阪急打線を散発4安打無得点に抑える好投。阪急は9回、この回先頭の上田が二塁に内野安打、黒田健吾が右前打で続き山下実の中前タイムリーで3-5、ここで中山はレフトに下がりファーストの古谷倉之助がマウンドに上がる。しかし古谷は全くウォーミングアップを行っておらず山下好一四球で無死満塁、山田の二ゴロの間に三走黒田が還って4-5と一点差、キヨ野上清光四球で二死満塁、続く大原敏夫に対してもストライクが入らずカウントはワンスリー、ここで中山正嘉がレフトから再登板、大原は中山の初球を狙うがピッチャーゴロ、1-2-3と渡ってダブルプレーが完成し試合終了を告げるサイレンがけたたましくこだます。ここは一球待つべきだったでしょう。

 中山正嘉は勝利投手とセーブを同一試合で記録することとなった。昭和12年以降では初の快挙である。

 阪急は後に主戦投手となる森弘太郎と高橋敏によるリレーとなった。森は戦前では若林忠志と並びもっともコントロールの良いピッチャーとなるが、本日は四球で降板することとなった。尤も守備陣に足を引っ張られた要因が大きいが。

 阪急はダブルヘッダーに共に一点差で連敗を喫す。第一試合で書き忘れたが、阪急守備陣は1回から5回まで5イニング連続併殺を達成している。1回から4回は全て5-4-3、5回は一死で一塁に北浦三男、二塁に苅田久徳という場面でディレードスチール、しかし1-5-4と渡ってダブルプレーとなった。結局、サード黒田健吾とセカンド宇野錦次は5イニング連続併殺に関与したこととなる。この第二試合でも阪急は5-4-3と2-4-2のダブルプレーを完成しており、一日で黒田は6回、宇野錦次は7回併殺に関与する。なお、第一試合ではセネタースが1個、この第二試合では金鯱も3個のダブルプレーを完成させており、二試合で11個の併殺が記録された。

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