2013年3月31日日曜日

15年 金鯱vs阪急 10回戦


9月24日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17  計
0 0 0 0 0 0 0 0 1  0   0   0   0   0   0   0   0   1 金鯱 18勝51敗7分 0.261 長尾貞利
0 0 0 0 0 0 1 0 0  0   0   0   0   0   0   0  1X  2 阪急 45勝29敗5分 0.608 石田光彦

勝利投手 石田光彦 13勝10敗
敗戦投手 長尾貞利   0勝2敗

三塁打 (阪)上田

勝利打点 浅野勝三郎 2


石田光彦、17回を完投

 阪急は秋季シリーズ首位打者の浅野勝三郎を四番に起用する。

 金鯱は初回、先頭の五味芳夫が四球で出塁、佐々木常助が送って一死二塁と先制のチャンスを作るが濃人渉は右飛、森田実は三振に倒れる。2回は一死後上野義秋が右前打を放つが後続なく、3回~6回は阪急先発の石田光彦に三者凡退に抑えられる。

 阪急は初回、先頭の西村正夫が左前打で出塁するがピッチャー長尾貞利の牽制にタッチアウト。続くフランク山田伝が四球から二盗に成功、しかし山下実は左飛、四番・浅野は中飛に倒れて無得点。2回も先頭の黒田健吾が四球から二盗に成功するが後続なく、3回も先頭の石田が三塁内野安打で出塁するが西村の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってチャンスをつぶす。4回は三者凡退に終わって5回、四球と敵失で二死一三塁とするが西村は投飛に倒れて無得点。

 阪急は7回、先頭の上田藤夫が右中間に三塁打、日比野武に代わる代打井野川利春は四球、下村豊が右前に先制タイムリーを放って1-0とする。更に石田の送りバントが野選を誘い無死満塁とするが西村の投ゴロは「1-2-3」と渡ってダブルプレー。8回も一死後浅野が右前打を放つが黒田の遊直に浅野が戻れずダブルプレー。

 7回、8回と1安打ずつを放ってきた金鯱は9回、先頭の濃人渉が四球で出塁、森田が送って一死二塁、室脇正信は右飛に倒れて二死二塁、ここで本日2安打を放っている上野に代えて代打に黒澤俊夫が登場、黒澤は期待に応えて左前に同点タイムリーを放ち金鯱が土壇場で追い付く。

 阪急は9回裏、一死後井野川が左翼線にヒットを放つが下村の一飛に井野川が戻れずこの試合4つ目のダブルプレーで延長戦に突入する。


 延長に入って石田のピッチングは冴え渡り、10回から16回まで金鯱打線を無安打に抑える。

 阪急は10回裏、一死後西村が左前打、山田も二塁への内野安打で続いて一死一二塁、山下実の二ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、しかし四番・浅野は中飛に倒れて無得点。更に13回裏、山田、山下実の連続四球で無死一二塁、浅野が送って一死二三塁、黒田は四球で一死満塁とサヨナラのチャンスを迎えるが、上田の投ゴロで三走山田は本封、これはスクイズ失敗の可能性がある。井野川も遊ゴロに倒れてこの回も無得点に終わる。

 金鯱は17回表、一死後濃人が左前打を放って二盗に成功、森田の二塁内野安打で一死一三塁、森田が二盗を決めて一死二三塁、しかし室脇は三振、古谷倉之助は遊飛に倒れて無得点。

 阪急は17回裏、先頭の石田が四球を選んで出塁、西村の投前送りバントを長尾は二塁に送球するがセーフ、山田の投前送りバントも長尾が三塁に送球するがセーフ、連続野選が記録されて無死満塁、新富卯三郎は三邪飛に倒れて一死満塁、浅野がサヨナラスクイズを決めて阪急が延長17回サヨナラ勝ち。


 翌日の読売新聞は「17回の延長記録」の見出で「打撃の威力価値が殆ど死滅している現在では守備力に重点を置く争いとなるので上位球団と下位球団との懸隔が非常に狭められて全く互角の仕合を演ずる事になるのだが此の一戦を17回まで延長したのも前述の理由からである。」と伝えている。但し、12年秋季9月23日のライオンvs名古屋2回戦でも延長17回名古屋がサヨナラ勝ちを記録しているので新記録ではありません。

 石田光彦は202球を投げて17回を完投、6安打5四球7三振の熱投で13勝目をあげる。長尾貞利も212球を投げて16回3分の1を完投、10安打8四球2三振であった。


 阪急は16残塁を記録して終始押し気味に試合を進めたが、最後は四番・浅野勝三郎のスクイズで決めた。因みに浅野は阪急球団創設以来第十代の四番となります。初代の山下実から山下好一、ジミー堀尾文人、北井正雄、キヨ野上清光、宮武三郎、上田藤夫、黒田健吾、井野川利春と続いて浅野が十代目となります。









            *石田光彦は202球で17回を完投して13勝目をあげる。













                   
                  *阪急の第十代四番バッター浅野勝三郎。













     *延長17回の熱戦を伝えるスコアブック。








 

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