旅順での紅白戦も無事終了し、一行は大連港から門司港にたどり着いたがまだ家には帰してもらえない。9月1日より小倉到津球場(こくらいとうづきゅうじょう)で大毎主催職業野球優勝大会というトーナメント戦が開催された。
第一日、タイガースvs金鯱戦は9回裏にタイガースが2点をあげて2A対1で1回戦を突破した。イーグルスvs阪急戦は延長13回の激戦の末阪急が勝利をものにした。
第二日、南海vsセネタース戦は3対0でセネタースの三富恒雄が完封勝利。名古屋vsライオン戦は3対0で名古屋の村松幸雄が完封勝利。スタルヒンと若林忠志の投げ合いとなったジャイアンツvsタイガース戦は延長12回タイガースが2対1で勝利を飾った。
第三日、準決勝第一試合はセネタースが延長12回の末名古屋を1対0で破った。浅岡三郎が完封勝利を飾った。第二試合はタイガースが3対1で阪急を破り決勝戦はタイガースvsセネタースの対決となった。
第四日は三位決定戦が行われ、名古屋が阪急を5回コールド2対0で降した。決勝戦は雨のため順延となった。
五日目も雨のため順延となり、9月6日、決勝戦が行われた。タイガースが1対0でセネタースを降し、若林忠志が完封勝利を飾ってタイガースが優勝した。松木謙治郎は「タイガースの生いたち」に「小倉到津球場で全球団によるトーナメント大会が開催された。約1カ月満州における強行日程をおえたあとだけに、各選手とも帰心矢の如しで気力のない試合となった。・・・負けたチームはすぐ帰れるので、試合が終わるとニコニコと引きあげてゆく。勝ったチームは渋い顔をするという状態だった。・・・ついに優勝したのだった。しかし、これほど選手に喜ばれない優勝などそうあるものではないだろう。」と書いている。
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