8月23日 (金) 奉天 満鉄球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 1 0 0 0 3 ライオン 17勝51敗4分 0.250 菊矢吉男 福士勇 近藤久
0 0 4 1 0 0 0 0 X 5 セネタース 39勝24敗9分 0.619 金子裕 野口二郎
勝利投手 金子裕 2勝5敗
敗戦投手 菊矢吉男 7勝20敗
セーブ 野口二郎 4
二塁打 (ラ)玉腰、鬼頭 (セ)山崎、苅田
三塁打 (ラ)加地
勝利打点 山崎文一 7
明暗
満州リーグ公式戦最終日の第二試合は主審・川久保喜一、一塁塁審・片岡勝、三塁塁審・吉田要による三氏審判により午後4時33分プレイボール。
セネタースは3回、二死後苅田久徳が左中間に二塁打、村松長太郎が四球を選んで二死一二塁、山崎文一が左前に先制タイムリーを放って1-0、小林茂太も右前にタイムリーを放って2-0、山崎は三塁に進み、小林が二盗を決めて二死二三塁、石井豊が中前に2点タイムリーを放って4-0として先発の菊矢吉男をKO、二番手に福士勇が登場して柳鶴震は捕邪飛に倒れる。二死から見事な集中攻撃であった。
セネタースは4回、一死後金子裕が右前打で出塁、横沢七郎も右前打、トップに返り苅田が四球を選んで一死満塁、村松の左犠飛で5-0とする。
4回までセネタース先発の金子の前に1安打に抑えられてきたライオンは5回、先頭の鬼頭政一が四球を選んで出塁すると代走に加地健三郎を起用、福士に代わる代打近藤久の二ゴロで加地は二封、広田修三は三振に倒れるが前田諭治が中前打を放って二死一二塁、トップに返り坪内道則が中前にタイムリーを放って1-5、井筒研一も左前にタイムリーを放って2-5、しかし坪内が二塁をオーバーランしてレフト村松からの返球をカットしたピッチャー金子が二塁に送球して坪内はタッチアウト。
セネタースは5回の攻撃で金子に代打浅岡を送り、6回から野口二郎が連投のマウンドに上がる。
ライオンは6回、先頭の玉腰年男は三振に倒れるが、鬼頭数雄が中越えに二塁打、戸川信夫は遊ゴロに倒れるが、加地が右中間に三塁打を放って3-5と追い上げる。
連投の野口は翌日の満州日日新聞によると「野口の球勢には独特の浮上り気味の速球がないので寧ろ平凡化している」とのこと。しかし「野口は投球変化を以てラ軍の逆襲を防ぎ勝利を得た」とのことで、スピードは欠けるものの変化球でかわすピッチングでライオン打線の反撃を抑え切った。7回は先頭の広田の三ゴロをサード横沢七郎がエラー、続く前田に左翼線ヒットを許して無死一二塁のピンチを迎えるが、坪内の投前送りバントを巧く処理して広田を三封、井筒を一邪飛、玉腰を二飛に打ち取る。8回は三者凡退に抑えるが9回、一死後広田が左翼線にヒット、レフト村松が後逸して一死二塁、続く前田に中前打を打たれるが二走広田は三塁にストップ、センター小林からのバックホームの間に打者走者の前田が二塁に向かうがキャッチャー佐藤武夫から二塁に送球されて前田はタッチアウト、二死三塁から坪内を中飛に打ち取り、野口は当ブログルールにより4つ目のセーブを記録する。
集中攻撃で5点を奪ったセネタースに対してライオンは5回と9回の拙走が響いて3点止まり、試合運びの差が明暗を分けた試合であった。
*満州リーグ最終日だからか、助っ人審判員の片岡勝と吉田要が塁審を務めた。この二人が同一試合で塁審を務めた事例は他にもあるが極めて珍しい。
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