11月3日 (金) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 セネタース 47勝35敗8分 0.573 浅岡三郎
0 0 0 0 1 0 0 0 X 1 ジャイアンツ 62勝25敗3分 0.713 中尾輝三
勝利投手 中尾輝三 12勝5敗
敗戦投手 浅岡三郎 9勝7敗
二塁打 (ジ)リベラ
三塁打 (ジ)水原
中尾輝三10四球無安打無得点
第二試合でタイガースが勝って2ゲーム差に詰められたジャイアンツは中尾輝三が先発。本日も平山菊二を二番に入れて不振の水原茂は七番。
ジャイアンツは初回、先頭の白石敏男が左前打で出塁するが、平山の打席で三振ゲッツー。3回は先頭の水原が四球で出塁、吉原正喜の遊ゴロをショート柳鶴震が失して無死一二塁、しかし中尾の送りバントはピッチャー浅岡三郎が水原を三塁に刺して一死一二塁、白石の投ゴロは「1-4-3」のセネタース併殺網に掛かる。
セネタースは初回、先頭の苅田久徳が四球を選んで出塁、横沢七郎は右飛に倒れるが苅田が二盗を決めて一死二塁、尾茂田叶の右飛で苅田は三進、しかし野口二郎は三ゴロに倒れる。2回も先頭の柳が四球で出塁するが後続なし。3回も先頭の織辺由三が四球で出塁するが苅田は一飛、横沢の三ゴロは「5-4-3」のゲッツー。4回も先頭の尾茂田が四球を選んで出塁、野口の二ゴロをセカンド千葉茂が逸らすがバックアップのライト中島治康からの二塁送球に尾茂田はフォースアウト。記録は「4.9-6B」で野口は二ゴロと記録されているのでのライトゴロではない。柳は右飛に倒れるが浅岡が四球を選んで二死一二塁、ここで二走野口と一走浅岡がダブルスチールを決めて二死二三塁、野口二郎はファーストで出場しているが登録はピッチャーなので「投手二人によるダブルスチール」が記録されたこととなる。恐らく他に事例はないのではないでしょうか。更に佐藤武夫も四球を選んで二死満塁、しかし村松長太郎は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。5回も先頭の織辺が四球で出塁するが苅田の遊ゴロは「6B-3」と渡ってダブルプレー。
中尾輝三は5回まで毎回先頭打者を四球で歩かせるがここまで無安打無得点。
ジャイアンツは5回、先頭の川上哲治は投ゴロに倒れるがアチラノ・リベラ(アデラーノ・リベラ)が左中間に二塁打を放って一死二塁、ここで水原が左中間に三塁打を放って1点を先制する。
セネタースは6回、初めての三者凡退。7回は浅岡、佐藤が連続三振、村松は四球を選ぶが織辺は中飛に倒れる。8回は三者凡退。
セネタースは9回、野口は一ゴロ、柳は左飛に倒れて二死無走者、しかし浅岡がチーム9個目の四球を選んで二死一塁、佐藤に代わる代打小島二男が10個目の四球を選んで二死一二塁、しかし村松に代わる代打森口次郎は三振に倒れて中尾のノーヒット・ノーランが完成する。とは言え翌日の読売新聞によると「彼にとっても巨人にとっても最後の一球まで安心のできる試合ではなかった・・・“高足駄に綱渡りの曲芸”を見る思いをさせ通したのであった。」とのこと。セネタースは最終回の二死一二塁で左腕・中尾に対して左の森口を代打に送ったが「左の森口を繰り出し明かに四球を狙ったのであるが中尾は奮起一番3球を以て三振に斥け遂に有終の美を全うした」とのことである。左のノーコン投手に左の代打を出すのは現代でも草野球には応用できるかもしれない。
中尾輝三は無安打10四球6三振無失点。澤村栄治の2回、スタルヒン、石田光彦に次いで史上5回目の無安打無得点であった。
浅岡三郎は8回を完投して4安打3四球5三振、むしろ浅岡のピッチングの方が安定感があったようだ。
不振が続いて七番に下げられていた水原茂の一打で勝利を掴み取ったジャイアンツは二位タイガースとの差を2.5ゲームに広げた。
*中尾輝三は10四球ながら無安打無得点を達成する。
*打撃不振のため七番に下げられていた水原茂が決勝の三塁打を放った場面。
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