1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 イーグルス 26勝65敗2分 0.286 亀田忠
0 0 0 0 2 0 0 0 X 2 タイガース 61勝29敗3分 0.678 若林忠志
勝利投手 若林忠志 28勝7敗
敗戦投手 亀田忠 14勝27敗
二塁打 (タ)景浦、門前
若林忠志今季6度目の完封
イーグルスの先発は亀田忠。2日の阪急戦で完封勝ちした中河美芳は3日の金鯱戦では途中出場して2打数2安打、6日の南海戦も途中出場して2打数1安打、7日のライオン戦はフル出場して5打数2安打で一塁手として出場しているが登板はしていない。望月潤一は3日と6日に完投負け、本日は亀田忠が昨日に続いて連投となった。翌日の読売新聞は「中河が病気とあって連投の苦痛を物ともせず亀田が自ら投手を買って出る」と伝えているが真相や如何に。
当ブログではこの時期中河美芳は憲兵隊に尋問を受けていたのではないかと推測しています。昭和15年からプロ野球選手の徴兵は飛躍的に増大します。しかしジャイアンツの主力は温存され、第一期黄金時代が昭和18年まで継続することとなります。正力松太郎は野に下ったとはいえかつては総理大臣候補とまで言われた警察官僚でいわば向こうサイドの人。子飼の市岡忠男はイーグルスの河野安通志とは犬猿の仲。当時兵役逃れのため多くのプロ野球選手が夜間大学に籍を置いていたのは周知の事実であり、これはジャイアンツの選手でも例外ではありません。にもかかわらず中河だけが憲兵に目を付けられていたのには筆者は昔から疑問に感じていました。
4回までタイガース打線は2安打無得点。但し亀田忠は3回に1四球、4回に2四球を出している。 タイガースは5回、一死後松木謙治郎が四球を選んで出塁、ジミー堀尾文人は右飛に倒れるが景浦将の左翼線ヒットで松木は三塁に達し二死一三塁、景浦が二盗を決めて二死二三塁、門前真佐人が右中間に二塁打を放って2点を先制する。
イーグルスは2回は先頭の亀田が中前打、3回も先頭の伏見五郎が中前打で出塁するが無得点。4回は先頭の寺内一隆が四球で出塁するが一死後高須清の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。7回も先頭の寺内が中前打で出塁するが亀田の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。相変わらず若林のシンカーは冴えている。8回も先頭の菅利雄が中前打を放つが無得点で結局若林から得点を奪うことはできなかった。
若林忠志は5安打1四球2三振、今季6度目の完封で28勝目をあげる。
この頃、読売新聞の論調が日増しに軍国調になってくるのは時節柄致し方のないところでしょうが、あれだけのキレ味を発揮していた鈴木惣太郎の論評も精彩を欠いてきている。鈴木惣太郎はある程度ことの真相を知っていたのではないでしょうか。その良心の呵責が文面に表れてきているように見えます。
*若林忠志は今季6度目の完封で28勝目をあげる。
0 件のコメント:
コメントを投稿