11月16日 (木) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 1 0 2 0 0 0 0 3 名古屋 38勝53敗5分 0.418 松尾幸造 西沢道夫
二塁打 (名)大沢2
今季最終戦は引分け
ジャイアンツは初回、先頭の水原茂が左翼線にヒット、平山菊二は中飛に倒れるが千葉茂の二ゴロの間に水原が二進、中島治康の右前打で一死一三塁、川上哲治の中前タイムリーで1点を先制する。
ジャイアンツは4回、先頭の川上が中前打で出塁、三田政夫が四球を選び、井上康弘が左前にタイムリーを放って2-0、二走三田はキャッチャー三浦敏一からの牽制に刺されるが吉原正喜が死球を受けて一死一二塁、中尾輝三が四球を選んで一死満塁、トップに返り水原の一ゴロで三走井上は本封、平山の遊ゴロをショート村瀬一三が失する間に吉原が還って3-0とする。
名古屋は5回から先発の松尾幸造に代えて西沢道夫をマウンドに送り込む。
名古屋は5回、一死後桝嘉一が左翼線にヒット、村瀬の二ゴロをセカンド千葉が失して一死一二塁、大沢清は三振に倒れるがダブルスチール後、加藤正二が四球を選んで二死満塁、吉田猪佐喜が押出し四球を選んで1-3とする。
ジャイアンツは6回から先発の中尾輝三に代わってスタルヒンがマウンドに上る。
名古屋は7回、先頭の桝嘉一の三ゴロをサード水原が一塁に悪送球、村瀬の右前打で一死一二塁、ここで大沢が右中間に同点の2点タイムリー二塁打を放って3-3に追い付く。
その後は西沢道夫、スタルヒンの投げ合いが続き昭和14年の公式戦は延長11回引分けで幕を閉じた。
ジャイアンツのスターティングラインナップに三田政夫と井上康弘が名前を連ねていることを奇異に感じた読者の方もいらっしゃることでしょう。理由は簡単で、三田と井上はシーズン終了後兵役に就くこととなります。藤本定義監督の計らいで最終戦のスタメン起用となったのでしょう。今シーズン終了後、各チームの主力選手が大量に戦地に送り込まれます。ジャイアンツは主力が温存され、三田と井上が戦場に赴くこととなります。ジャイアンツの第一期黄金時代はこうした背景によるものであることは歴史的事実です。そこに元高級官僚であった正力松太郎の介入があったのか否か。筆者はこれが偶然であったなどど言う程の偽善者でもなければ単純でもありません。
*今季最終戦はスタルヒンと西沢道夫が締めて延長11回引分けに終わった。
*今季最終戦のジャイアンツのオーダー。藤本定義監督の計らいで応召直前の三田政夫と井上康弘がスタメンに名を連ねている。二人ともプロでの最後の試合であった。三田は戦死することとなる。
*名古屋の最終戦のオーダー。
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