8月4日現在153回3分の1を投げて156奪三振で奪三振王、どんな剛球投手の成績かと思われるかもしれませんが、ナックルボーラーのR.A.ディッキーの成績です。76~79マイル(120キロ台)のナックルボールに時折65マイル前後のナックルを混ぜる。85マイル(136キロ)のストレートで取る三振はほとんどが見逃しです。
これだけで何故奪三振率9.00を超えるピッチングができるのか。答えは高めに伸びるナックルがあるからです。7月21日付けブログ「三冠への道 2012 ③」では「伸びるナックルはまだ見ていない」と書かせていただきましたが、MLB.comで確認できるディッキーの全投球を再確認したところ伸びるナックルを効果的に使っていることを確認しております。この伸びるナックルにタイミングが合うバッターはほとんどいません。それどころかキャッチャーも捕れないので三振ナットアウトがやたら多い。落ちるナックルにスライドするナックル、左打者の外に曲がり落ちるスクリュー気味のナックルも効果的です。
37歳のディッキーが何故突然変異の如くサイ・ヤング賞を狙えるところまできたのか。当ブログはその答えは闘志にあると見ています。5月7日のダイヤモンドバックス戦、8回3分の0を投げたところでコリンズ監督が出てきてマウンドを降ろされる際、拾い上げたロジンバックをマウンドに叩きつけて怒りをあらわにしています。この闘志こそが37歳にして開花した最大の要因であると見ています。技術的にはフィールディングの良さが目に付きます。
7月21日付けブログ「三冠への道 2012 ③」ではMVP候補の大穴にあげさせていただきましたがマッカチェンの打率が落ちてこないのでこちらは苦しいか。となるとサイ・ヤング賞をスティーブン・ストラスバーグと争うことになります。剛球ストラスバーグvsナックルボーラーR.A.ディッキーの争いは見応えがあります。ここに8月4日現在WHIPトップのマット・ケインが絡んできます。落としどころとしてはサイ・ヤング賞はストラスバーグ、MVPはディッキーが理想なのですが。但しストラスバーグは被打率が高いので現時点でのサイ・ヤング賞最有力候補はR.A.ディッキーとなります。
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