4月17日 (水) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 5 0 0 4 1 0 0 0 10 名古屋 11勝5敗 0.688 松尾幸造
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 タイガース 9勝10敗1分 0.474 木下勇 三輪八郎 釣常雄
勝利投手 松尾幸造 2勝2敗
敗戦投手 木下勇 3勝5敗
二塁打 (名)芳賀、松尾、桝
本塁打 (名)吉田 1号
勝利打点 吉田猪佐喜 3
名古屋同率首位に躍り出る
名古屋は2回、先頭の大沢清が四球で出塁、続く吉田猪佐喜が左翼スタンドに先制ツーランを叩き込む。更に中村三郎が右前打、三浦敏一も右前打、芳賀直一の遊ゴロをショート皆川定之がエラーして無死満塁、松尾幸造の一ゴロで芳賀が二封される間に中村が還って3-0、トップに返り石田政良が右前にタイムリーを放ち4-0としてタイガース先発の木下勇をKOする。代わった三輪八郎に対して村瀬一三は三振に倒れるが桝嘉一の遊ゴロを再び皆川が失して二死満塁、大沢清が押出し四球を選んでこの回5点を先制する。
名古屋は5回、大沢、吉田が連続四球、中村は左飛に倒れるがパスボールで一死二三塁、三浦が左前に2点タイムリーを放って7-0、代走に木村進一を起用、芳賀が右翼線に二塁打、ライト中田金一がもたつく間に木村が快足を飛ばしてホームに還り8-0、中田にエラーが記録されて芳賀には打点は付かない。松尾が左中間に二塁打を放ち9-0として三輪をKO、三番手の釣常雄が後続を抑える。
名古屋は6回、先頭の桝が左翼線に二塁打、大沢が四球、吉田は左飛に倒れるが中村が左翼線にタイムリーを放って10-0とする。
タイムリー打線は松尾の前に沈黙、僅かに4回、一死後カイザー田中義雄、ジミー堀尾文人が中前に連打を放ち伊賀上良平の三ゴロの間に二者進塁して二死二三塁とするがキャッチャー三浦からの二塁牽制の間に三走田中がホームを突いてショート村瀬からのバックホームにタッチアウト。
松尾幸造は5回以降タイガース打線を無安打に抑え込み、3安打3四球2三振の完封で2勝目をあげる。名古屋は集中攻撃で大勝して首位セネタースに並んだ。
吉田猪佐喜が決勝の先制ツーランを放った。翌日の読売新聞によると「吉田は高く近目の球を左翼観覧席深く叩き込み」と伝えている。今シーズン全体で27本目の本塁打であるが甲子園球場では初めての本塁打である。他球場では後楽園で19本、西宮で5本、神戸で2本が記録されている。当時の甲子園球場は両翼約110メートルで左中間と右中間は膨らみを持つ構造となっており130メートル近くあったと言われている。甲子園でのオーバーフェンスは景浦将、宮武三郎、山下実、中島治康、ジミー堀尾文人などごく少数しか記録していない。使用球の劣化が進む中で価値の高いホームランであると言える。但し時々ストックしてあった質の良いボールを使うこともあるのでこの日がそうであった可能性もありますがそうであったとしても甲子園のオーバーフェンスの価値が高いことには変わりはない。ホームランを量産するために造られた後楽園球場の両翼が80メートルにも満たなかった事実は両球場の本塁打数の違いが証明しており、単純に数字だけ比較することがナンセンスであることが分かる。
*松尾幸造は今季初完封で2勝目をあげる。
*名古屋は打線が爆発して快勝し、首位セネタースに並んだ。
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