決勝の舞台で硬くなったのは光星学院の方であった。2点を許した5回のサードのエラーを含めて守備に精彩を欠いた。無死一二塁からの三前送りバントでサードの悪送球は仕方ないとして、セカンドとライトのベースカバーが遅れて一塁走者まで生還を許したのが痛かった。藤浪のストレートは抜ける球も多く、決して攻略できないピッチャーではない。今日はスライダーが左打者の膝元、右打者の外角に決まって失投がなかったことが勝因であった。
当ブログの予想で印を付けた5校は全てベストエイトに進出、準々決勝でO光星学院が▲桐光学園を破り、準決勝は全て印を付けたチームの対戦となった。◎東海大甲府が△大阪桐蔭に敗れた点だけが誤算となった。素人の予想としてはマアマアだったでしょう。
東海大相模の選手時代は75年センバツで準優勝、東海大相模の監督時代は92年センバツで準優勝、東海大甲府の監督としては04年と今年のベスト4。相模と甲府での監督歴も20年を超えた村中秀人の全国制覇への挑戦はまだまだ続くことでしょう。村中の指導者としての原点は4回目の甲子園となった76年夏の甲子園2回戦、小山高校に0対1で負けた試合、ランナー黒田を三塁に置いてサイン違いからワイルドピッチで決勝点を許した試合にある。この試合で「1球の大切さ」を学んだ。ふてぶてしいまでのマウンド度胸で鳴らした現役時代から30数年が経ち、ランナー三塁からのエンドランを仕掛ける緻密な野球で全国制覇を目指す。
話題となっているホームランの量産について一言。今年は浜風が強かったし、打者の質が向上していることは認める。体幹を鍛えるトレーニングが浸透し、スウィングスピードが上がっているのは間違いない。しかし、最大の要因はピッチングの質の低下にある。ホームランを打たれた多くはスライダーが抜けた失投であった。ツーシームが中に入った棒球も多かった。少年野球時代からカーブを投げなくなりスライダーに切り替えてから10年以上が経つ。高校生でフォークやチェンジアップを投げるのも当り前となり、ツーシームも多くのピッチャーが投げている。これらのボールを投げておけば地域の練習試合や地方大会の予選で有利になるのは理解できるが、失投になった場合に悔いが残ることを指導者たちは考えるべきである。昨年の釜田の時も書いたが(2011年8月11日付けブログ「習志野快進撃!」参照)、あれだけのストレートを持っていながら、最後の夏にフォークの失投を打たれる愚は犯すべきではない。もちろん肩口から入るカーブがホームランボールとなることは百も承知しているが、まだ落差の大きいカーブの失投の方が変化幅の小さいスライダーが抜ける棒球よりも打たれる可能性が低いことも事実である。
更に付言するならば、打者の力がこれだけ向上してきていることを踏まえれば、金属バットの使用をやめて木製バットに戻すことを真剣に検討するべきではないかと思う。甲子園シリーズ最終回は辛口批評となったが、どうせ明日の新聞は礼賛記事のオンパレードとなるのは分かりきっていることなので、当ブログとしてはこのスタイルでいきます。
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