2012年7月16日月曜日

15年 阪急vs南海 2回戦


4月6日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
4 0 1 2 2 6 5 8 4  32 阪急 7勝5敗1分 0.583 山田伝
0 0 0 0 0 2 0 0 0   2  南海 4勝8敗1分 0.333 劉瀬章 平野正太郎 深尾文彦

勝利投手 山田伝 1勝0敗
敗戦投手 劉瀬章 2勝2敗

二塁打 (阪)中島2、山下実、新富 (南)岡村、山尾
三塁打 (南)清水
本塁打 (阪)土肥 1号

勝利打点 黒田健吾 1


歴代最多得点

 先発ピッチャー不足の阪急はフランク山田伝が先発。内野手不足の南海は政野岩夫がセカンドに入る。昨年は九球団随一の投手陣を誇った阪急は高橋敏と荒木政公を応召で欠き一気に台所事情が苦しくなっている。一方、南海は鶴岡一人を筆頭に宮口美吉、中田道信、平井猪三郎、小林悟楼、栗生信夫、海蔵寺弘司と主力を大量に戦場に送り込み一気に弱体化した。

 阪急は初回、先頭の中島喬が左翼線に二塁打、上田藤夫の一塁線バントが内野安打となって上田は二盗、黒田健吾が左前に先制タイムリーを放って1-0、重盗を決めて2-0、キャッチャー吉川義次の悪送球の間に黒田は三進、山下好一が四球から二盗、山下実の右中間二塁打で4-0として南海先発の劉瀬章をKO、二番手に平野正太郎が登板して後続を3人で片づける。

 阪急は2回、先頭のフランク山田伝は三ゴロ、中島は遊ゴロ、上田は二ゴロに倒れて三者凡退。

 阪急は3回、先頭の黒田が四球で出塁して山下好一の遊ゴロで二進、二死後井野川利春の左翼線タイムリーで5-0とする。

 阪急は4回、二死後中島喬の遊ゴロをファースト清水秀雄が落球、中島が二盗を決め上田が四球を選んで二死一二塁、黒田の中前タイムリーで6-0、山下好一のピッチャー強襲ヒットがタイムリーとなって7-0とする。

 阪急は5回、先頭の井野川が遊失に生き、一死後土肥省三が左翼席にツーランを叩き込んで9-0とする。今季限りでプロ野球を去ることとなる土肥にとってプロでの唯一の本塁打となった。翌日の読売新聞には「土肥の大本塁打」と書かれている。信越硬式野球クラブ(旧電電信越・NTT信越野球部)のホームページによると昭和31年の電電信越野球部監督に「土肥省三」の名前が見られる。土肥は長野商業の出身なので同一人物の可能性が考えられる。長野商業時代には松竹水爆打線に名を連ねた宮崎仁郎と共に昭和11年夏の甲子園に出場している。

 阪急は6回、先頭の上田がピッチャー強襲ヒット、黒田が右前打、山下好一の遊ゴロで黒田は二封、山下実は四球で一死満塁、井野川の三塁内野安打で10-0、新富卯三郎の右中間二塁打で12-0、土肥の三塁内野安打で13-0、山田の右前タイムリーで14-0、トップに返り中島喬の投ゴロは「1-4-3」と転送されるがセカンド政野からの一塁送球が悪送球となる間に土肥が還って15-0とする。

 南海は6回、先頭の岩出清が右前打、藤戸逸郎の遊ゴロでランナーが入れ替わり、国久松一が中前打、岡村俊昭は三振に倒れるが清水秀雄が右翼線に三塁打を放って2-15とする。


 南海は7回から三番手にプロ入り初登板の深尾文彦をマウンドに送るがこれが火に油を注ぐ結果となった。

 阪急は7回、先頭の黒田が四球、山下好一が左前打、黒田が三盗を決めて山下実四球で無死満塁、井野川の三ゴロの間に黒田が還って16-2、新富が四球を選んで一死満塁、土肥が押出し四球を選んで17-2、山田は左飛に倒れるが中島喬が押出し四球を選んで18-2、上田に代わる代打池田久之が左前に2点タイムリー放って20-2、黒田は三直に倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪急は8回、先頭の山下好一がピッチャー強襲ヒット、山下実右前打、井野川四球で無死満塁、新富が左翼線に2点タイムリーを放って22-2、土肥は四球、山田の左前タイムリーで23-2、中島が右中間に走者一掃の二塁打を放って26-2、下村豊は左飛に倒れてようやくワンアウト、黒田は死球、山下好一の三塁内野安打で下村がホームを欲張りタッチアウト、山下実が四球を選んで二死満塁、井野川が左翼線に2点タイムリーを放って28-2とする。新富が四球を選ぶが土肥が三振に倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪急は9回、先頭の山田が三塁に内野安打、中島が左前打、下村の三塁内野安打がタイムリーとなって29-2、黒田が四球を選んで無死満塁、山下好一の右犠飛で30-2、下村もタッチアップから三塁に進み黒田の二盗とキャッチャー佐野誠三の悪送球の間に下村が還って31-2、山下実の右前タイムリーで32点目をあげた。井野川は左飛、新富が四球を選んで二死一二塁と追加点のチャンスを掴むが土肥が左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 フランク山田伝は10安打2四球1死球3三振2失点で完投勝利を飾る。


 阪急は山下好一の4安打を筆頭に猛打賞が6人、先発全員が2安打以上のマルチヒット、全員安打で27安打を記録した。また、井野川利春の5打点を筆頭に3打点以上が5人、上田藤夫だけが0打点で29打点を記録した。更に、黒田健吾と山下好一の5得点を筆頭に先発全員が2得点以上、池田久之を除く全員で32得点を記録した。

 南海三番手の深尾文彦は3イニングを投げて13安打11四球1死球1三振17失点自責点17を記録、深尾のプロでの登板はこの日1度だけなので通算防御率は51.00となっている。

 阪急の32得点は歴代最高得点として今だに破られていない。









                 *フランク山田伝が完投勝利を飾る。











                 *試合時間は1時間56分であった。













     *32得点をあげた阪急打線。











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