2012年7月6日金曜日

15年 ジャイアンツvsライオン 2回戦


3月30日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 ジャイアンツ 7勝3敗 0.700 中尾輝三
0 0 1 0 0 0 0 1 X  2 ライオン       4勝5敗 0.444 菊矢吉男

勝利投手 菊矢吉男 4勝1敗
敗戦投手 中尾輝三 1勝2敗

二塁打 (ラ)菊矢

勝利打点 菊矢吉男 3 (本日より勝利打点をお伝えします)


菊矢吉男、9回二死までノーヒットノーラン

 1回、2回と三者凡退に終わったライオンは3回、先頭の山本尚敏がツースリーから四球を選んで出塁、松岡甲二は見逃し三振に倒れるがスリーストライク目に山本が二盗を決めて一死二塁、菊矢吉男が右翼線に先制タイムリーを放って1-0とする。

 ライオンは4回、玉腰年男、広田修三が連続四球を選んで無死一二塁、しかし山本の三ゴロ併殺で二死三塁、松岡のカウントがツーナッシングとなったところで玉腰が本盗を試みるがタッチアウト。5回、先頭の松岡が四球で出塁するが菊矢の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー。6回も先頭の西端利郎が四球で出塁するが水谷則一は二ゴロ併殺に倒れる。

 3イニング連続併殺でチャンスを潰してきたライオンは8回、一死後菊矢が左越えに二塁打、トップに返り坪内は右飛に倒れるが西端が右前にタイムリーを放って2-0とする。

 ライオン先発菊矢吉男の剛球にジャイアンツ打線は手も足も出なかった。

 ジャイアンツは初回、先頭の千葉茂がツーナッシングから四球を選んで出塁して二盗に成功、しかし水原茂は右飛、中島治康は遊飛、川上哲治は二ゴロに倒れる。2回、先頭の白石敏男が四球で出塁するが吉原正喜の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー、林清一も二飛に倒れる。3回、平山菊二は三ゴロ、中尾輝三は四球で出塁、千葉の二ゴロでランナーが入れ替わり今度は千葉が盗塁失敗。

 ジャイアンツは4回、水原が遊飛、中島が三振、川上は左飛に倒れる。5回、白石は一飛、吉原は三振、林清一も三振。6回、平山は中飛、中尾は三振、千葉は二ゴロ。菊矢の剛球が冴え渡っている。

 ジャイアンツは7回、水原は三ゴロ、中島は二飛、川上は二ゴロ。8回、白石は二邪飛、これは間違いではありません。一塁後方のファウルグラウンドに飛んだ飛球をセカンド西端が回り込んで捕ったものです。吉原は捕邪飛、林は一飛に倒れる。菊矢の球威にはいささかの衰えもない。

 ジャイアンツは9回、先頭の平山は二ゴロ、中尾に代わる代打呉波は三邪飛、トップに返り千葉が死球を受けて二死一塁、代走に鈴木田登満留を起用、ここで水原が右前に初ヒット、鈴木田が二塁ベースを蹴って三塁に向かうがライト水谷則一からの送球にタッチアウト。

 菊矢吉男は9回二死まで無安打無得点を続けたが最後に水原茂にヒットを許す。菊矢は1安打3四球1死球4三振の完封で4勝目をあげる。

 この試合の勝利打点は菊矢吉男が記録した。菊矢はこれでここ4試合で3試合において完投勝利&勝利打点を記録した。練習試合を含めた学生野球や草野球ではあり得るかもしれないが、プロ野球の世界では恐らく世界記録でしょう。










     *菊矢吉男は9回二死まで無安打無得点を続け1安打完封で4勝目をあげる。









     *菊矢吉男の剛球の前に9回二死まで無安打無得点に抑えられたジャイアンツ打線。
















2 件のコメント:

  1. 菊吉投手がそれほど有能とも知らず、かつこの記録は初めて知りました
    移籍は本人にとってベストでしたね 正確にはタイガースは「貸与」したらしいけれど

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    1. シーズントータルの数字だけではその選手の実像は見えてきませんね。
      菊矢は昭和13年秋には最多三塁打を記録した強打者でもあり、戦後のゴールドスターでは四番を打っています。

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