4月4日 (木) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 イーグルス 4勝7敗1分 0.364 中河美芳 長谷川重一
0 0 6 3 0 0 0 0 X 9 タイガース 7勝5敗1分 0.583 三輪八郎 亀田敏夫
勝利投手 三輪八郎 1勝0敗
敗戦投手 中河美芳 0勝3敗
二塁打 (イ)竹内、谷 (タ)堀尾、伊賀上
三塁打 (タ)皆川
本塁打 (タ)伊賀上 2号
勝利打点 ジミー堀尾文人 2
ラストゲーム
タイガースは3回、一死後一番皆川定之がセンター右奥に三塁打、ジミー堀尾文人が左中間に二塁打を放って1点を先制する。本堂保次はストレートの四球で一死一二塁、岡田宗芳の遊ゴロをショート宗宮房之助がエラーする間に堀尾が還って2-0として本堂は三塁に進み一死一三塁、ここでダブルスチールを決めて3-0、その際ショート宗宮からの本塁送球が悪送球となって岡田は三塁に進む。松木謙治郎は投ゴロに倒れるがカイザー田中義雄の左前打で岡田が還って4-0、伊賀上良平が左越えにツーランホームランを叩き込んで6-0とする。
イーグルスは4回から先発の中河美芳をファーストに回して長谷川重一がマウンドに上がる。
タイガースは4回、皆川、堀尾、本堂が3連続四球を選んで無死満塁、岡田の三ゴロの間に皆川が還って7-0、松木の右犠飛で8-0、この間に二走本堂は三塁に進み、田中の三塁内野安打で本堂が還って9-0とする。
イーグルスは5回、先頭の寺内一隆が四球で出塁、竹内功が右中間に二塁打を放って無死二三塁、清家忠太郎の一ゴロで三走寺内がホームに突っ込みファースト松木がバックホームするがセーフ、野選となって1-9とする。
タイガースは7回一死で先発の三輪八郎から亀田敏夫にスイッチ、亀田敏夫は2回3分の2を3安打無四球無三振無失点に抑えて投球完了するが3イニングに満たないためセーブは記録されない。
三輪八郎は6回3分の1を4安打3四球2三振1失点に抑えて今季初勝利をあげる。
この試合で松木謙治郎監督は岡田宗芳を四番に起用した。岡田はこの試合を最後に応召し、プロ野球の世界に戻ってくることなく戦死することとなる。第一打席と第三打席はいずれも無死満塁で回ってきたが力が入ったのか三ゴロに倒れている。第四打席と第五打席は本来のつなぎのバッティングを取り戻したようで四球を選んでいる。「海内無双」と呼ばれたタイガース全盛期には不動の九番打者として上位へのつなぎ役で大活躍し、読売新聞誌上で宇野庄治記者(後の巨人軍代表)に絶賛されている。
松木謙治郎は「タイガースのおいたち」に、入営が近付いた後楽園球場で伊賀上と岡田と松木の三人で遠投競争をし、岡田が勝った褒美として新宿の赤線に案内してやり、「これが彼に対する送別会になった」と書いているが、本当の褒美は彼のラストゲームに四番に起用したことではないでしょうか。
*松木謙治郎監督は岡田宗芳のラストゲームに彼を四番に起用した。
*岡田が四番に入ったタイガース打線。
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