2012年7月13日金曜日

15年 タイガースvsジャイアンツ 2回戦


4月3日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 タイガース    6勝5敗1分 0.545 若林忠志
0 1 0 0 0 0 0 0 X  1 ジャイアンツ 9勝4敗 0.692 中尾輝三 スタルヒン

勝利投手 スタルヒン 6勝1敗
敗戦投手 若林忠志  3勝2敗

二塁打 (ジ)平山

勝利打点 林清一 1


林清一決勝タイムリー

 初回三者凡退のタイガースは2回、先頭のカイザー田中義雄の打席は解読が難しい。記録は「K 1’」なので「田中は三振したがキャッチャー吉原正喜は捕球できずナットウアトでピッチャー中尾輝三がエラーして一塁に生きた」となっている。ツーツーから投じた中尾のドロップがワンバウンドとなって田中が空振り、キャッチャー吉原正喜が弾いて中尾が捕り損ねて田中が一塁に生きて中尾にエラーが記録されたとしておく。すなわち振り逃げと中尾のエラーということになる。当時の記録は「SO」が三振で「K」は三振ナットアウトです。松木謙治郎が右前打を放って無死一二塁、岡田宗芳の送りバントは一飛となって失敗、伊賀上良平が四球を選んで一死満塁、しかし若林忠志は浅い右飛、森国五郎の代打中田金一は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。森は第一打席から代打を出されているので守備は中田より評価は高いが打撃は中田の方が評価が高いのでしょう。

 初回の水原茂のヒットを活かせなかったジャイアンツは2回、先頭の平山菊二がツーワンからの4球目を左中間に二塁打、林清一が二遊間を抜いて平山を迎え入れ1点を先制する。これが本日唯一の得点となり決勝点となった。

 タイガースは7回、先頭の伊賀上がストレートの四球を選んで出塁、若林忠志の投前送りバントは野選を誘い無死一二塁、釣常雄の三塁内野安打で無死満塁、ジャイアンツベンチはここで先発の中尾をあきらめてスタルヒンを投入する。ジミー堀尾文人は二飛に倒れて一死満塁、続く皆川定之のカウントワンツーからの4球目に三走伊賀上が「2-5」で刺されてタッチアウト。翌日の読売新聞によると「皆川にはサインが徹底しなかったのかバントしそうにして2ボールを危うく見送ると三塁コーチ松木監督が皆川を呼んで密談したが、次の内角ストライクを見逃してワンツーに於て次球に構えるとスタルヒンはスクイズを見破って外角へ高く速球を配したので皆川は泳いで空振し伊賀上が挟殺されて・・・」とのこと。スタルヒンが見抜いたのか吉原がウエストのサインを出したのかは定かではありません。

 スタルヒンは3イニングを1安打無四球3三振無失点に抑えてジャイアンツが逃げ切る。現行ルールでは中尾輝三に勝利投手が記録されてスタルヒンにはセーブが記録されるところであるが公式記録ではスタルヒンに勝利投手が記録されて6勝目をあげる。

 ジャイアンツは負傷の千葉茂に代わってセカンドに入っている平山菊二の二塁打と、昭和11年暮れに応召して今季帰還してきた林清一の決勝タイムリーで貴重な勝星をあげて首位名古屋にゲーム差無しで喰らいついている。タイガースでは松木謙治郎が4打数3安打と孤軍奮闘であった。






            *中尾輝三、スタルヒンによる完封リレーを伝えるスコアカード。















               *林清一が決勝タイムリーを放った場面。














               *カイザー田中義雄の振逃げの場面。



















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